「楽園」が、「戦場」になった。
サンゴ礁の美しい島ペリリューで、漫画家志望の青年は“功績係”として仲間の最期を書き留める役目を負わされる。
『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』は、柔らかな絵柄で過酷な日常を静かに描き出す作品です。本記事では、物語の見どころや特徴をわかりやすく整理し、初めて読む人にも理解しやすいように解説しています。
作品紹介
あらすじ
太平洋戦争末期、南国の島ペリリュー。サンゴ礁に囲まれた楽園は、やがて激戦の地へ変わっていく。漫画家志望の兵士・田丸に与えられた任務は、戦死した仲間の最期を記す「功績係」。圧倒的兵力を誇る米軍の上陸、玉砕を禁じられた日本軍の持久戦――戦火に飲み込まれる日常の中で、田丸は仲間たちの生と死に向き合っていく。
おもな登場人物
田丸均
漫画家を夢見る日本兵。功績係として仲間の最期を書き記す任務に就く。
吉敷佳助
田丸を支える戦友。冷静で頼れる存在として行動を共にする。
書籍情報
●巻数表記は、Kindle版や文庫版など、入手しやすい流通形態を基準としています。
#完結済み#10巻以上#日本漫画家協会賞#このマンガがすごい!#白泉社
こんな人におすすめ
本作は、以下のような方に特におすすめです。
- 戦争の歴史を初めて学ぶ人・歴史を漫画で学びたい人:活字が苦手でも流れを追いやすく、ペリリュー島の戦いの全体像をつかめます。
- 重いテーマを読みやすく知りたい人:柔らかい絵柄が心理的負担を和らげ、無理なく戦争の実像に触れられます。
- きちんとした取材に基づく作品を読みたい人:生還者の証言や現地調査をふまえた描写で、実際の戦場を追体験できます。
著者について
武田一義(たけだ・かずよし)
1975年北海道生まれ。自身の闘病体験を描いた『さよならタマちゃん』でデビューし注目を集める。代表作『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』では、戦争の実像に迫り、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。人間の弱さと強さを丁寧にすくい上げる作風で知られる。
平塚柾緒(ひらつか・まさお)
1937年茨城県生まれ。太平洋戦争研究会を主宰し、長年にわたり元兵士や関係者への聞き取りを続けてきた戦史研究者。写真資料と証言を重視した実証的な著作を多数発表し、戦争の実態を伝える第一人者の一人。『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』では原案協力として資料監修を担った。
作品解説
ペリリュー島の戦いとは?漫画で理解する歴史的背景
「ペリリュー島の戦い」とは、どんな戦いだったのか
ペリリュー島は、南北約9キロ・東西約3キロの小さなサンゴ礁の島です。太平洋戦争末期、ここで日本軍1万と米軍4万が激突しました。洞窟陣地を活用した日本軍の徹底持久戦により、米軍は1600名以上の戦死者を出し、海兵隊史上もっとも激しい戦闘の一つとされています。
『ペリリュー 楽園のゲルニカ』が描く範囲
本作は、米軍が上陸する前の島の様子から戦闘期、終戦後も継戦を続けた生き残り兵の姿、そして日本に帰国したあとのエピソードを全11巻で描いています。史実を参考にしつつもフィクションとして組み立てられ、「ペリリュー島の戦い」を知らない人にも理解しやすい形で戦場の変化と兵士たちの日常がまとめられています。
漫画としての役割と主人公の立ち位置
漫画だから届く戦争理解のメリット
戦争経験を持たない読者にとって、活字資料は心理的距離が生まれやすい一方、漫画は情景や空気感を直感的に理解しやすい媒体です。本作は緩いタッチの絵柄と重いテーマの対比によって、戦場の空気を“近づきすぎず遠ざけすぎず”の距離で体感できる構成になっています。
戦史初心者に適した「まず知る」ための作品性
残酷な描写は避けられませんが、視覚的ショックを抑えつつ事実に触れられる構成になっており、「まず知る」ための導入として読みやすい作品です。背景知識がなくても、戦いの流れを追いながら概要をつかめます。
主人公の視点が現代人に適している理由
主人公の田丸は漫画家志望で、「功績係」という特殊な立場に任命されます。戦闘の最前線に立つ兵士像ではなく、戦死者の最期を「伝える」役割を担う存在として描かれている点が特徴です。彼の視点は、読者が戦争の実像に入りやすい“現代的な距離感”をもたらします。
戦争を「伝える」ことの難しさと、作品が果たした大きな役割
戦争体験者が減る時代に求められる“次世代への継承”
戦争を直接知る世代が少なくなり、当時のことは年々遠いものになりつつあります。記憶が風化するなかで、どのように次の世代へ伝えるかが大きな課題になっています。
体験していない作者が挑んだ“表現者としての責任”
作者自身は戦争を体験しておらず、ペリリュー島の関係者でもありません。その立場で歴史を描くことには、表現者として大きな葛藤があります。未体験の出来事を扱うことへの重さ、語る資格への疑問、読者からの批判など、多くの壁が存在します。
丁寧な取材と検証が支えた表現へのアプローチ
それでも本作は、綿密な取材と検証を積み重ねて制作されています。生還者への聞き取り、現地調査、研究者の協力、資料の読み込みなど、可能な限り事実へ近づく努力が続けられました。その過程では、生還者から「体験していないのに漫画にするには軽すぎる」という厳しい声も受けています。
挑戦は困難でも、多くの読者に届いた“成功例”
こうした壁を越え、作品は多くの読者に受け入れられ、戦争を知るための入口として確かな評価を得ています。語り継ぐ手段が少なくなる今、漫画という媒体が果たせる役割の大きさを示す好例として、本作は大きな意味を持っています。
参考記事:好書好日
関連リンク
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