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ちばてつやの軌跡を辿る『あしあと ちばてつや追想短編集』:漫画家の人生と作品の裏側

『あしあと ちばてつや追想短編集』は、漫画界の巨匠・ちばてつやが自身の人生を振り返りながら描いた自伝的な短編集です。戦後の引き揚げ体験や創作の苦悩、トキワ荘時代の仲間たちとの絆など、漫画家としての道を歩んできたちば氏の歴史が詰まった一冊です。

本書には、戦争の記憶を描いた『家路1945-2003』や、精神的な不調と向き合った『赤い虫』、そしてトキワ荘の仲間たちとの絆を描く『トモガキ』など、2000年以降に発表された貴重なエピソードが収められています。

漫画を通して、ちばてつやの深い思いと彼が生きた時代を感じることができる本作は、ファンはもちろん、昭和の漫画文化や歴史に興味がある読者にも強くおすすめしたい一冊です。

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作品紹介

概要

漫画史に刻まれる巨匠の歩みを描いた自伝的作品を収めた短編集。
戦後の満州引き揚げを題材にした「家路 1945-2003」、精神的な不調に陥った時のエピソード「赤い虫」、漫画の聖地として知られるトキワ荘での交流を描いた「トモガキ」、そして名作『のたり松太郎』誕生前夜を描いた「グレてつ」など、2000年以降に発表された短編を完全収録。掲載当時のカラーページも再現されています。

収録作品一覧

家路1945ー2003

ちばてつや自身の引き揚げ体験を基に描かれた作品。引き揚げで日本に帰れるまで1年。ちば一家は全員が無事に帰国しましたが、多くの人が帰国できずに亡くなります。その中には、ちばてつやの幼い友人も含まれていました。(詳しい紹介はこちら⇒ちばてつや短編集 エッセイマンガ編:戦後の貴重なエピソード をご覧ください)

赤い虫

デビューから数年後、不摂生な生活がたたって心身のバランスを崩した体験を描いた作品です。締め切りに追われ、精神的に追い詰められたちばは、寝るたびに背中を「赤い虫」が這い回り、爆発するような感覚に襲われるようになります。

トモガキ(前・後編)

若き日のちばてつやが大怪我を負い、トキワ荘の漫画家仲間に助けられたエピソードを描く短編。作画ができなくなった彼を支えたのは、石ノ森章太郎や赤塚不二夫らの協力でした。この出来事をきっかけに、ちばとトキワ荘の漫画家たちの絆が深まっていきます。

グレてつ

『あしたのジョー』を描き終えたちばてつやが、新作の構想に悩み、苦しむ姿を描いた短編です。創作へのプレッシャーから気持ちが荒れる中で、やがて『のたり松太郎』のユニークなキャラクターが生まれるきっかけが描かれます。自身の漫画家人生を振り返りながら綴られた、懐かしさと創作の葛藤が詰まった一編です。

書籍情報(巻数・出版社・受賞歴)

●巻数表記は、Kindle版や文庫版など、入手しやすい流通形態を基準としています。

#完結済み#1巻完結#ビックコミック#マガジン

こんな人におすすめ

本作は、以下のような方に特におすすめです。

  • ちばてつやのファンの人:ちば氏の創作の裏側や、漫画家としての人生を知りたい人へ。
  • 昭和の漫画文化に興味がある人:トキワ荘時代の漫画家たちの交流に関心がある人へ。
  • 漫画家の創作の苦悩やエピソードを知りたい人:漫画家がどのように作品を生み出しているのか興味がある人、創作活動におけるプレッシャーやスランプを乗り越えた話を読みたい人へ。
  • 戦争や引き揚げの体験に関心がある人:戦後の満州引き揚げの実体験を描いた作品を読みたい人、漫画を通じて戦争の記憶を知りたい人へ。
  • これからちばてつや作品を読んでみたい人:ちばてつや作品を読んだことがないけれど、他の作品も気になる人、ちば作品の世界観に触れてみたい初心者へ。

著者について

ちばてつや(本名:千葉徹弥)。1939年1月11日、東京都生まれ。戦後に中国から引き揚げ、1956年に漫画家デビュー。1961年に週刊少年誌デビューを果たし、1968年には『あしたのジョー』を連載。社会現象となる大ヒットを記録した。代表作に『ハリスの旋風』『おれは鉄兵』『あした天気になあれ』『のたり松太郎』などがある。数々の賞を受賞し、文化功労者や文化勲章も受章。日本漫画界を代表する巨匠の一人である。

作品解説

漫画界の巨匠が残した「あしあと」

漫画界のレジェンド・ちばてつやの軌跡を辿る一冊

『あしあと ちばてつや追想短編集』は、日本漫画界を代表する巨匠・ちばてつやが自身の人生を振り返りながら描いた珠玉の短編集です。戦争の記憶、漫画家としての苦悩、トキワ荘の仲間たちとの絆など、ちば氏の「漫画道」を形作った重要なエピソードが詰め込まれています。

本作は回想録ではなく、昭和という時代を生きた漫画家の魂を感じることができる作品集でもあります。

昭和マンガの歴史と、日本という国の記録

本書は単なる自伝的短編集ではなく、昭和という時代の記録でもあります。トキワ荘の漫画家たちが切磋琢磨していた姿、戦争を経験した世代ならではの苦悩と創作への情熱など、日本の漫画文化の礎を築いた時代が鮮やかに描かれています。

近年、「トキワ荘マンガミュージアム」が開館し、その歴史が再び注目されていますが、本作はまさにその時代を生き生きと伝える貴重な作品となっています。

4つの短編に込められた人生の軌跡

本書には、ちば氏の人生を大きく左右した4つのエピソードが収録されています。

『家路1945-2003』―戦争の記憶

終戦後、ちば少年が家族とともに旧満州から日本へ引き揚げる過酷な旅を描いた作品です。極寒の中を飢えと恐怖に耐えながら進む家族の姿は、淡々とした筆致でありながらも胸に迫るものがあります。

このエピソードは、日本の戦後史の一部としても貴重な記録と言えるでしょう。

『赤い虫』―創作の苦悩と回復

漫画家としての成功の裏で、過労とプレッシャーに追い詰められ、幻覚に悩まされた若き日のちば氏。背中に「赤い虫」が這う感覚に苦しみながらも、偶然のキャッチボールをきっかけに回復し、運動の大切さを実感します。この経験は後のちば作品にも影響を与え、スポーツ漫画の名作を生み出す礎となりました。

『トモガキ』―トキワ荘の仲間たちとの絆

大怪我を負い、原稿が描けなくなったちば氏を救ったのは、トキワ荘の仲間たちでした。石ノ森章太郎や赤塚不二夫らが彼の原稿を仕上げ、締め切りに間に合わせたエピソードは、漫画家同士の助け合いと深い友情を感じさせます。この作品には、トキワ荘という特別な場所が生んだ熱気や連帯感が生き生きと描かれています。

『グレてつ』―新たな創作への挑戦

『あしたのジョー』を描き終えた後、創作のプレッシャーに悩んでいたちば氏。しかし、その苦悩の中で生まれたのが、破天荒なキャラクター「のたり松五郎」でした。編集者のひと言をきっかけに連載が続くことになり、『のたり松太郎』が誕生します。この作品は、漫画家としての新たな挑戦と成長を描いた興味深いエピソードです。

『トモガキ』:赤塚不二夫への追悼とトキワ荘の絆

特に皆さんが興味が沸く作品は『トモガキ』ではないのでしょうか。

この作品はデビュー50周年記念に描かれたのですが、赤塚不二夫が2008年8月2日に亡くなった直後(2008年11月に発表)に執筆されたもので、赤塚への追悼の意味も込められています。ちばてつやの深い思いとともに、トキワ荘の仲間たちがどれほどお互いに影響を与え合っていたのかが感じられる、感動的な作品です。
さらに、当時の写真も収められており、読者は時代背景や人物たちの雰囲気をより深く理解することができます。

『トモガキ』は、漫画家たちの絆やその時代を生きた人々の人間ドラマを知るための貴重な資料であり、ちばてつやファンだけでなく、漫画文化や歴史に興味がある人にもおすすめの一篇です。

漫画界のレジェンドによる貴重な記録として、ちばてつやファンはもちろん、ちばてつや作品を読んだことがない人にも読んでほしい一冊です。

関連リンク

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