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大人におすすめ│抽象表現で描くウクライナ発の『戦争が町にやってくる』

戦争は、ある日突然やってくる
ウクライナ発絵本『戦争が町にやってくる』。戦争の恐怖と、小さな光が持つ力を静かに、力強く問いかけます。本記事では作品の見どころ、特徴を未読者向けに解説しています。

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作品紹介

戦争が町にやってくる

戦争が町にやってくる

  • 作者:ロマナ・ロマニーシン
  • ブロンズ新社
Amazon

あらすじ

架空の町ロンドは、穏やかで美しい場所だった。しかしある日、「戦争」が突然やってくる。色を失い、闇に沈んでいく町。そこに立ち上がったのは、町を愛する3人だった。それぞれの知恵と勇気と特別な力を持ち寄り、希望を取り戻そうと奮闘する姿が、詩的な絵とともに静かに、力強く描かれる。

おもな登場人物

ダーンカ

ランタンのように輝く透明な体を持つ。光の力で町を守ろうとする。

ファビヤン

赤い風船で作られた犬のような姿をした、宝探し犬の子孫。

ジールカ

折り紙の鳥のような体を持ち、自由に空を飛ぶことができる。

戦争

ある日突然ロンドに現れる、擬人化された存在。

こんな人におすすめ

本作は、以下のような方に特におすすめです。

  • 戦争や平和について改めて考えたい人:抽象的なテーマを感覚的に受け取れるため、難しい知識がなくても自分なりの問いを持てます
  • 普段あまり本を読まない人:文章量が少なく短時間で読め、絵が物語の大半を語ってくれます
  • アートや絵本のビジュアルに興味がある人:コラージュとグラフィックを組み合わせた独自のスタイルは、一冊の作品集としても見応えがあります
  • 平和について「遠い話」と感じている人:架空の町を舞台にしているからこそ、特定の国の問題ではなく自分ごととして受け取りやすくなっています
  • 重いテーマを静かに受け取りたい人:直接的な描写を避けた詩的な表現のため、感情に無理なく寄り添いながら読み進められます

著者について

ロマナ・ロマニーシン、アンドリー・レシヴ│作

(1984‒)ウクライナを拠点にする絵本作家デュオ。本作を含む複数の作品でボローニャ・ラガッツィ賞やBIB金牌など国際的な賞を受賞し、世界15言語以上に翻訳される。

金原瑞人│訳(かねはら・みずひと)

(1954‒)岡山県生まれ。翻訳家・法政大学教授。児童書からヤングアダルト、文学、ノンフィクションまで幅広いジャンルを手がけ、訳書は550点以上。

作品解説

『戦争が町にやってくる』とは| 架空の町「ロンド」に何が起きるのか

歌う花が咲く理想の町、ロンド

町の住人たちは自然や音楽とともに、穏やかに暮らしています。とくに「歌う花」が咲く音楽温室は、町の象徴です。ところがある日、「戦争」が突然現れます。正体も理由も分からないまま、町は少しずつ色を失い、暗く変わっていきます。

3人の主人公と彼らの正体

主人公は3人。どれも人間ではありません。ダーンカは光る体を持ち、ジールカは紙でできた鳥、ファビヤンは風船のような犬です。どれも壊れやすい存在ですが、それぞれの力で町を守ろうとします。一方、戦争は黒く大きな存在として描かれ、触れたものをすべて闇に変えていきます。

『戦争が町にやってくる』の特徴

コラージュと色の劇的な変化

この絵本は、コラージュを使った表現が特徴です。図鑑や新聞などの紙が使われ、登場人物のもろさが伝わってきます。最初は明るい色で描かれていた町も、戦争が来ると暗い色に変わります。この変化だけで、状況がはっきり伝わります。

抽象的な表現が生む普遍性

戦争は、どこかの国の話としては描かれていません。黒い存在として表されることで、どの人にも自分ごととして感じられます。主人公たちがガラスや紙、風船でできているのも同じ理由です。誰でも重ねやすい存在になっています。

大人がいまこの絵本を読む理由

「子ども向け」という先入観を捨てる

子ども向けに作られた作品ですが、大人にも強く響きます。戦争とは何かを、シンプルに問いかけてきます。

2022年以降、再び問われる作品の意味

作者はウクライナの人で、作品が発表されたのは2015年です。今は現実の戦争と重なり、この物語はより強い意味を持つようになりました。

日本人には慣れないビジュアルの印象

日本人好みのビジュアルとは異なるため、最初は手が伸びにくいかもしれません。ただ読み進めるうちに絵の表現とテーマが重なり、この作品が伝えたいことがそのまま伝わってきます。わかりにくい絵本ではありません。

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書籍詳細ページ

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戦争が町にやってくる

戦争が町にやってくる

  • 作者:ロマナ・ロマニーシン
  • ブロンズ新社
Amazon

『戦争が町にやってくる』の書籍情報

  • 定価:本体1,600+税
  • ページ数:36ページ
  • サイズ:290×214mm
  • 初版発行:2022年6月
  • 出版社:ブロンズ新社

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