この記事は、『人形草紙あやつり左近』を紹介しています。原作・写楽麿、作画・小畑健による漫画です。小畑健は『ヒカルの碁』や『DEATH NOTE』といった有名な作品の作画担当でも知られています。
この作品が連載されていた1995年ころは、日本でオカルトブームがありました。そのため、『あやつり左近』は推理ものですが、気味の悪い雰囲気の作品です。ホラーが苦手な人は、ご注意ください!
作品紹介
あらすじ
口下手な人形師・橘左近と、彼の相棒である明治初期の童人形・右近の二人(?)が活躍する和風ミステリー。彼らは旅先や、身近な場所で謎めいた事件に立ち向かいます。横溝正史の作品を思い出させる、どこかノスタルジックな雰囲気のあるお話です。
おもな登場人物
橘左近
普段は内気で控えめな性格だが、右近を操ることで非凡な推理力を発揮する。
右近
明治初期に作られた傑作童人形であり、左近の相棒。左近が操ると、まるで生命を宿したかのように動く。
作品解説
短期終了になった理由を考察
『あやつり左近』は、週刊少年ジャンプで連載されていました。ですが、短期終了になった作品です。それはなぜでしょうか?当時の状況を踏まえ、推理してみましょう。
当時のジャンプの連載作品
当時のジャンプの連載作品には、『こち亀』『ドラゴンボール』『ダイの大冒険』『スラムダンク』などがありました。これらと比べると、『あやつり左近』の絵や物語は異色です。
メインの読者層である小学生男子には受け入れられにくかったのでしょう。当時のジャンプは、純粋に小学生男子が読む漫画雑誌でしたからね。また、小畑健の美しくもグロテスクな描写も原因だったと思います。あの頃、トラウマになった読者も多かったのでは?
参考URL:ジャジャン研
90年代の推理漫画ブーム
当時は、オカルトブームと推理漫画ブームがありました。『金田一少年の事件簿』(1992年)や『名探偵コナン』(1994年)が人気を博し、その流れで『あやつり左近』も1995年に連載が始まりました。しかし、『あやつり左近』はブームに乗り切れなかったようです。
計画やタイミングが悪かった可能性がありますし、そもそも連載されていた雑誌と作風の相性が良くなかったのかもしれません。
『ヒカルの碁』ヒット後に再評価される
『あやつり左近』は1999年にアニメ化されましたが、それは『ヒカルの碁』のヒットによって再評価されたからです。そういう面からもタイミングが良ければ、人気が出ていた作品だったかもしれませんね。良作だからこそ、勿体ない。
まとめ
4巻では、小畑健の絵柄がコロコロ変わっています。意図的に変えている感じで、中には高橋留美子の絵柄を意識した回もあります。
編集部から少年漫画らしい絵柄を求められたのかもしれません。そんな背景を想像しながら読むのも面白いですね。
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