知る人ぞ知る本棚

新旧問わず、さまざまなジャンルの漫画を紹介しています。あらすじや読むポイント、情報をまとめてお届け。メジャーな作品よりもマニアックな作品を中心に紹介しています。

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『西遊妖猿伝 大唐篇』の見どころ解説と注目ポイント!

諸星大二郎 西遊妖猿伝

諸星大二郎の『西遊妖猿伝 大唐篇』は、中国の古典『西遊記』をベースにしつつ、歴史的な事実や伝奇要素を絡めた大胆な再構成が魅力の冒険活劇です。
唐代の中国を舞台に、壮大な物語が展開されています。中国の歴史や文化に興味がある方や、ドキドキワクワクする冒険漫画を探している方にとって必見の作品です。また、この壮大な冒険譚の中には、BL的な要素が匂わせられるキャラクター関係も含まれており、匂わせBL好きの人にもおすすめできます。

作品紹介

あらすじ

物語は隋末期の中国を舞台に、孫悟空という少年の運命を追います。彼は、強大な妖怪・無支奇むしきに見込まれ、「斉天大聖」の称号を授かります。この瞬間から、悟空の人生は戦いと血に満ちた激動の日々へと変わり、紅孩児こうがいじや竜児女といった国家に反逆する者たちと出会います。そして、悟空は玄奘三蔵げんじょうさんぞうと出会い、天竺てんじくへの旅に同行することを決意します。

おもな登場人物

孫悟空

主人公。さまざまなトラブルを巻き起こすトラブルメーカー。美しさや強さで性別、年齢を問わず、いろいろな人を魅了させてしまう。

玄奘三蔵

天竺へ経典を求めて旅をする旅の僧。真面目な好青年。

紅孩児

最初は悟空を仲間にしようとしていましたが、うまく行かないどころか相手にされません。次第に「俺を殺してくれ」とまで言う執念を見せ、悟空を執拗に追いかけます。

竜児女

悟空が、天竺を目指すキッカケを作った女義賊。悟空のように無支奇むしきに見込まれ、「斉天玄女」と名乗る。

通臂公

トリックスター的な立ち位置にある物乞いの姿をした妖怪です。一見不気味に見えますが、ファンの間ではその愛嬌が人気です。

こういう人におすすめ!

  • ワクワクドキドキする冒険漫画が好きな人
  • 中国の歴史に興味がある人
  • 匂わせBLの要素を探している腐女子・腐男子の方 

著者・諸星大二郎について

諸星大二郎(もろほし・・だいじろう)は、日本の伝奇漫画界を代表する作家で、『西遊妖猿伝』は彼の代表作の一つです。彼の作品は独特の世界観と緻密な描写が特徴で、特に中国史や民俗学的な物語を独自の視点で描く才能に定評があります。

作品解説

『西遊記』をモロ☆流にアレンジ!

『西遊妖猿伝』は、伝奇小説『西遊記』を元にしながらも、諸星大二郎が独自のアレンジを加えた作品です。中国史や神話、伝承を盛り込み、唐代の歴史背景や実在の人物とのリンクを大胆に描いています。歴史的なリアリズムとファンタジーが融合し、原作とは異なる、緻密なストーリーテリングが特徴です。諸星大二郎の独特な描写が、西遊記のキャラクターたちをより深みのある存在として描き出しています。

匂わせBL??

『西遊妖猿伝』は、腐女子目線で見ると、BL的な「匂わせ」要素が随所に見られます。紅孩児は悟空への執念を見せ、まるでストーカーのように追い回します。悟空もまた玄奘に対して特別な感情を抱いているかのようで、彼を助ける場面ではヒーローさながらの活躍を見せます。読者の想像力を掻き立てる要素が豊富です。もちろん、そういった解釈を持たない読者にも、強烈なキャラクター同士の葛藤として楽しめます。

三部構成

この物語は三部構成となっており、現在第1部の「大唐篇」と、第2部「西域篇」が展開中です。今は「西域篇火焔山の章」という副題で連載されていますが、2021年〜休載しています。

物語の始まりである「大唐篇」では、孫悟空が玄奘三蔵と出会い、天竺を目指す旅に出発する様子が描かれています。現在連載中の「西域篇」では、中央アジアの旅が進行中です。最終的には、インドを舞台とした「天竺篇」へと続く予定ですが、果たして物語が完結するのか、「天竺篇」までたどり着けるのかは、誰にもわかりません。

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『西遊妖猿伝 大唐篇』は、ただの冒険漫画にとどまらず、歴史的背景と深いキャラクター描写が魅力の作品です。悟空と玄奘、紅孩児との関係性を楽しみながら、物語の大きな流れに身を任せてみてください。チラっと、モブによるBLもあります(笑)

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