この記事では、原作・筒井康隆/絵・永井豪の童話『三丁目が戦争です』を紹介しています。
筒井康隆といえば、強烈な描写が特徴的な作家で、子ども向けの作品であっても手加減していません。そのため、この本は大人にも十分楽しめる内容になっています。むしろ、子ども向けの表現を装った大人向けの作品と言えるかもしれません。
ネタバレも含まれています、未読の人はご注意ください。
作品紹介
あらすじ
なぜ戦争が起こり、どのようにして悲惨な結末に至るのか。この物語では、住宅地の女の子が団地の男の子たちを公園から追い出したことがきっかけで、住宅地と団地の争いが始まります。その争いは次第にエスカレートし、ついには戦争にまで発展してしまいます。
シンスケ君は、当初から大人たちの行動に矛盾や疑問を抱いていました。しかし、争いが激化する中で、彼の気持ちも変わっていきます。最後には「戦争がおもしろそう!かっこいい!」と思ってしまい、外へと飛び出してしまいます。その先に待ち受ける残酷でむごたらしい結末を知る由もなく・・・。
書籍情報(巻数・出版社・受賞歴)
●巻数表記は、Kindle版や文庫版など、入手しやすい流通形態を基準としています。
作品解説
現実世界の教訓としての物語
小さな対立から大きな戦争へ
住宅地と団地の争いの構図は、実は世界レベルでも同じことが言えます。日常の小さな対立がやがて大きな戦争に繋がることを、この物語は教えてくれます。
子どもたちが巻き込まれる争いの恐ろしさ
子どもたちが巻き込まれる争いの恐ろしさと、戦争の悲惨さがリアルに描かれています。この物語は、読者に対して、争いがどのように始まり、どのようにして拡大し、最終的にどのような結末を迎えるのかを考えさせます。
現実の世界でも、小さな誤解や対立がエスカレートして大規模な紛争や戦争に発展することがあります。その恐ろしさを強く実感させる一冊です。
こんなお話は、書かないほうが、また、読まないほうがよかったのかもしれませんね。
(中略)
戦争がはじまってしまえば、もう、どうしようもないのです。みんながよろこぶようなおわりかたは、ぜったいになりません。
引用元:新装版99ページ~102ページ
戦争を知るために必要な「恐怖」
衝撃的な低学年向け作品
この書籍は一応「低学年向け」とされていますが、実際には「子ども向けに、とんでもない!」と感じさせる作品です。終盤の展開は、トラウマになってしまう可能性が大きいです。
例えば、ダイナマイトによってお母さんが吹き飛ばされ、その後、目玉が炊き出しのおむすびに張り付いている場面が描かれています。
戦争の恐怖を伝える大切さ
しかし、「戦争」というもの自体が恐ろしいものです。戦争は恐ろしいものであり、トラウマを伴うことを子どもに教えるのは、間違っていないと私は思います。私自身もそのような経験をしており、その結果として戦争がとても恐ろしいものであると強く感じています。
「戦争」がなぜいけないのかを考えるためには、まず「恐ろしさ」を知ることが大切なのではないでしょうか?ただ、低学年の子に読ませていいかは悩みどころではありますね。私のこの考えは、あくまで一つの考え方です。
この作品を初めて読まれる読者、特に少年少女の読者に対しては、いつの時代であっても戦争が不幸な結果で終わること、そしてこと戦争に関しては勝者などいないことを、あらためて示唆しておきたい。
ーー筒井康隆
引用元:青い鳥文庫版5ページ
童話を書き始めたきっかけ
筒井康隆がこの童話を書いたきっかけは、長男の誕生でした。戦争の無意味さを伝えなければならないという使命感が湧いたのだそうです。(参考:青い鳥文庫版)
筒井康隆は昭和9年生まれで、終戦時の昭和20年には11歳。幼いながらも戦争を経験したことも、彼がこの物語を書く一つの動機となったのでしょう。
関連リンク
書籍詳細ページ
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