アキさんが読んだ本。

漫画の紹介をしてしまいます。漫画のあらすじ、特徴、留意点、どのような人におすすめかをわかりやすく説明しています。

名も無き人々の物語:『孤独のグルメ』が語る大人の物語

この記事は、実写ドラマ化もしている『孤独のグルメ』を紹介しています。
原作・久住昌之、作画・谷口ジローのコンビによるグルメ漫画です。だけど、主役はグルメではなく主人公が出会った名も無き人たちかもしれません

作品紹介

中年のおじさんが、初めて訪れた商店街でお食事どころを探して食事をする。ただ、それだけのことを一話8ページで淡々と描いた漫画です。

この漫画のココがすごい!

短いページで、ものすごい情報量!

一話16ページくらいの感覚で読んでいましたが、ビックリしました。一話がたった8ページなんです、この漫画。体感の二分の一で多くの情報がまとめられています。
8ページなので、寝る前に少しずつ読むとかできるのがいいと思います。

モブキャラも「生きている」!

商店街に行き交う人たちの息遣いや、その人の今までの人生も想像する事ができます。名前すらわからない、たった1コマ、2コマに登場するだけのモブたちなのに皆「生きている」んです

主人公の思考と視線の移り変わり

主人公は、商店街を歩いているときも、お食事どころに入っているときも、キョロキョロと色んなところを見ます。初めての場所ですからね。挙動不審になるのも仕方がありません。
主人公が視線を動かすと、そこには何かをしている人だったり、料理やメニューだったり・・・。それを見て、主人公は思案します。
主人公の表情のアップや、主人公が見たもの、カメラを引いて主人公と対象物。 いろんなアングルで主人公の頭の中を表現しています。
決して大げさな表現はありません。ただ、淡々とテンポよく、主人公が見たものが描かれています。

読者を選ぶ作品

人によっては、不向きかもしれない要素

登場人物、ほぼ中年のおじさん

私、女なので「おじさん心」は、さっぱりわかりません。主人公のおじさんはもちろん、モブのくたびれたおじさんの行動心理は理解できかねます。登場するのは、ほとんどが昭和のおじさん。
女性や若い世代には、理解がむずかしいことも多いかもしれません。

舞台がほとんど東京都

私、地方民です。東京都のことは、さっぱりわからないのです。それも栄えている商店街なんてほぼ知りません。

おじさん心」がわからない。「都会」がわからない。それも淡々とおじさんが食事をするだけの話です。
私も普段なら、最初の数ページで投げ出すところです。 ですが、谷口ジローの描写の仕方が好きなので楽しめました。

若い層には、不向きな漫画かも?

wikiによると、2007年時点で女性読者層の割合が4割を占めていたのだそうです。ドラマ化した影響かとも思いましたが、当時はドラマになっていません。うーむ、なぜでしょうか?ちょっと、これは理由がわかりません。
Amazonの口コミでは、20代女性が「おもしろさがわからない」と低評価を入れていました。うん、私も若かったらおもしろさがわからないですね。 ある程度、年齢が高い&普段から幅広い漫画を読んでいる層じゃないと作品の良さは、わからないのかもしれません。
それと「グルメ漫画」だと思って手を出すと失敗するのかも。ジャンルは「グルメ漫画」だけど、料理を巡って主人公があれこれ考えたり、料理に辿り着くまでや、食べた後に主人公がどう思ったかが主な内容です。

(参考URL:孤独のグルメ - Wikipedia)

まとめ

夢枕獏原作『神々の山嶺』を谷口ジローがコミカライズした作品もおすすめです!エベレストの山肌の描写が神です!
画力が凄まじいので高所恐怖症だと、ぶっちゃけ怖いです。それくらいリアルに山を感じることができます!

作品情報

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