『魍魎の揺りかご』は、『僕だけがいない街』の三部けいによる戦慄のサバイバルホラー作品です。本作は、修学旅行中の高校生たちが豪華客船で突如として沈み始めた船内に閉じ込められ、殺人鬼が徘徊する極限状態の中で生き残りをかけた物語が描かれています。緊迫感あふれる脱出劇と、次第に明かされていくキャラクターたちの本性が、読者に驚愕と恐怖を与える作品です。この記事では、物語の概要や登場人物、作品の魅力について詳しく紹介します。
作品紹介
あらすじ
修学旅行の帰途、豪華客船に乗船していた高校生たちは、平和な航海を楽しんでいました。しかし、突如として船は激しく揺れ、次第に転覆し始めます。さらには、乗客が突如凶暴化し、人々を襲う惨劇が発生。パニックと混乱が広がる中、生き残りをかけて生徒たちは協力しながら脱出を目指すものの、殺人鬼たちの脅威や仲間同士の対立が彼らを襲います。
おもな登場人物
あえて悪役である3人をご紹介します。
春日日明
優等生のふりをした冷酷な人物。強欲で自分の利益しか考えない。人を利用したり、殺人も犯している。
宮村華菜
作者に愛されたキャラ。通称「ヒス」。身勝手な性格で自分が「殺人鬼」に感染してしまった後、周囲を道連れにしようとします。
芹沢
不良グループのリーダー。自分が生き残るためなら、平気で仲間も殺します。しかし、なぜか彼は、かわいらしい顔をした同級生の男子だけは守る(※理由は明らかになっていない)。BL的な描写がチラチラあります。
こんな人におすすめ
- ホラーとサバイバル要素が好きな人:極限状態での心理戦が楽しめる
- 予測できないストーリー展開が好きな人:謎が次々と明らかになる展開がスリリング
著者について
三部けいは北海道出身の漫画家。代表作『僕だけがいない街』は実写映画化・アニメ化され、広く人気を博しました。『魍魎の揺りかご』では、サバイバルホラーというジャンルで独自の緊張感を演出しています。他の作品には、『神宿りのナギ』や『鬼燈の島』などがあります。
掲載誌について
本作は、スクウェア・エニックスの青年向け漫画雑誌「ヤングガンガン」に不定期で掲載されました。男性読者を意識した内容が多く、刺激的で大人向けな描写が含まれています。例えば、よく見るのが女性の排尿シーンや、下半身部分がやけに強調されるなど・・・いわゆる「サービスカット」があります。こういう描写が苦手な人はご注意ください。
作品解説
ポセイドンアドベンチャーへのオマージュ
明言はされていませんが、本作は映画『ポセイドンアドベンチャー』のオマージュと思わせる部分があります。豪華客船が転覆するという共通点を持ちながらも、オリジナル要素が随所に盛り込まれています。
ポセイドンアドベンチャーとは
1972年の災害映画で、転覆した客船からの脱出劇を描いた作品。乗客たちが逆さまになった船内から脱出するという映画です。この映画のオマージュは、よくあるのでぜひ観てみて下さい!⇒Amazonで見る
サバイバルホラーとしての魅力
このジャンルならではの面白さ!
サバイバルホラーとして、本作は殺人鬼との戦いだけでなく、人間同士の心理的な駆け引きも描かれています。生き残るために非情な選択を迫られる登場人物たちが、それぞれの立場でどのように行動するかが物語の大きな魅力です。
過激・グロテスクなシーン
青年向けなのでグロテスクな描写は多くあります。高校生同士が殺し合いをしたり、身体がグチャグチャになったり・・・人が人を食べたりするシーンもあります。
グロテスクも、このジャンルならではですが、苦手な人は注意が必要です。
イライラさせられるキャラはお約束!
また、行動の理解に苦しむキャラクターや、イライラさせられるキャラクターは多いですが、それが「サバイバルホラー」の特徴だと個人的に思います。
テンポ良く話は進むのでサバイバルホラー好きさんにおすすめの漫画です!
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巻末のあとがき漫画も面白いです。個人的に二巻の作者の修学旅行の思い出語りがお気に入りです♪
読み手を選ぶ作品ですが「サバイバルホラー」の面白さが分かる人は、是非読んで欲しい作品です。個人的には『僕街』より好きです。