アキさんが読んだ本。

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『無面目・太公望伝』:諸星大二郎の世界への招待状 #諸星大二郎

今回は、諸星大二郎もろほしだいじろうの傑作中の傑作であり、入門書としてピッタリな『無面目むめんもく太公望たいこうぼうでん』をチョイスしました。絵柄が苦手、古臭いという理由で読んだ事がない人におすすめしたい1冊です。
この作品は1988年に発表されました。この頃の諸星大二郎作品は傑作が多いです!

諸星大二郎の世界へようこそ!入門書をおすすめ!

この本は、中編の中国ものが二本収録されています。どちらも古代中国が舞台で、神仙が登場します。 古代中国に興味がある人や、芥川龍之介の『杜子春とししゅん』とか好きな人に向いている漫画じゃないでしょうか。

ただ、ハッピーエンドではありません。流血、人がたくさん殺されるシーンがあるので苦手な人はご注意ください。

無面目

『無面目』のあらすじ

主人公は、人型で顔のない「混沌こんとん(あだ名は無面目むめんもく)」という中国太古の神。
彼は、七竅しちきょう(顔にある7つの穴のこと。鼻・目・口・耳)を顔に描かれたことがきっかけで人として生き、様々な感情を知ることになります。最後には、最愛の人を失い、悲しみのあまり自らの命を絶つことになるという物語です。
舞台は前漢武帝の時代。武帝治世末期の「巫蠱ふこ巫蠱ふこの乱)」を中心に描かれています。
混沌とは・・・

荘子』に書かれている「渾沌こんとん」を下敷きにしたキャラクターです。渾沌こんとん七竅しちきょうを持たず、七竅しちきょうを開けられることで死んでしまいます。

参考URL:そこには三人の帝がいた…:東京新聞

巫蠱の禍とは・・・

巫蠱ふこは、木製の人型の呪具です。日本のワラ人形に似たものです。その巫蠱ふこをめぐって、社会に大きな混乱が起きた事件のことです。

参考URL:巫蠱の禍 - Wikipedia

太公望

太公望伝』のあらすじ

封神演義ほうしんえんぎ』で有名な太公望たいこうぼうこと呂尚りょしょうが主人公。彼の若い頃から、70歳で周の文王に仕えるまでの人生を描いたヒューマンドラマです。

むずかしくはありません!

あらすじだけを書いてみましたが、なんだかむずかしそうな漫画だと思われた人もいるのではないのでしょうか?

私も書いていて「むずかしそう」なんて思ってしまいました。私、『封神演義ほうしんえんぎ』も読んだことがなければ『荘子』なんてもっと読んだことありません(笑)。武帝も高校の世界史でちょっと触れたかな~?という程度。歴史背景は知らなくても、楽しめる漫画作品です!

これは、もう読んで確認していただくしかありません(笑)。もちろん、相性とかはあると思いますが興味がありましたら、ぜひ読んでみてください

まとめ

読んでみて他の同作者の作品も読んでみたいと思った方には、『妖怪ハンター』『栞と紙魚子』『碁娘伝』『西遊妖猿伝(※超長編で、現在連載中です。個人的には大唐編だけで十分かな、と)』あたりをおすすめしたいです!2010年以降の作品は、個人的におすすめできません。

作品情報

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