前置き文『うちの犬、知りませんか?』は、コミックエッセイ作家・たかぎなおこさんの自伝的エッセイ漫画で、彼女が小学5年生から16年間共に過ごした愛犬ムクとの日々を描いた作品です。ムクは、元々は野良犬でしたが、偶然小学校で出会い、家族の一員として成長していきました。この作品では、昭和時代の犬との暮らしや当時の犬事情が描かれており、昭和世代の懐かしさや、犬との絆の深さを感じられる内容となっています。本記事では、あらすじや登場人物、作品の魅力について詳しく紹介していきます。
作品紹介
あらすじ
小学校に迷い込んできた、やせっぽちの野良犬と目が合ったたかぎなおこ。彼女はその瞬間、犬との運命を感じ、その犬「ムク」と16年間を共に過ごすことになります。ムクは愛想も芸もなく、食い意地だけは一人前。脱走が大好きで庭を飛び出しては野原を駆け回る、そんなやんちゃな犬でした。しかし、彼女にとってムクはかけがえのない存在であり、成長するにつれて家族の一員として深い絆を築いていきます。なおこが10歳の時に出会い、彼女が大人になっていく過程でムクも徐々におばあちゃん犬になっていく、心温まる物語です。
おもな登場人物
たかぎなおこ
本作の著者であり主人公。小学5年生の時にムクと出会い、共に成長していく。
ムク
なおこが16年間飼っていた元野良犬。雑種で、愛想はないが憎めない性格。食いしん坊で脱走癖があり、散歩が大好きだった。
こんな人におすすめ
- 昭和の犬の飼い方に懐かしさを感じる人。
- 心温まるエッセイ漫画を探している人。
- 犬との深い絆に感動を覚える人。
- 昭和な犬の飼い方が許容できる人。
著者について
1974年に三重県で生まれ、2003年に『150cmライフ。』でデビューした人気イラストレーターです。彼女の作品は、日常生活を題材にした親しみやすいエッセイが多く、他にも『ひとりぐらしも5年め』や『マラソン1年生』など、多彩な著書があります。自身の体験をユーモラスに描くスタイルが特徴です。
作品解説
The昭和な作品世界
いつの時代のことなのか
著者が生まれたのは1974年、昭和49年です。彼女がムクを飼い始めたのは小学5年生の時で、昭和時代の終わり頃に当たります。そのため、作品全体には昭和の時代背景が色濃く反映されています。
昭和の犬の飼い方
当時、犬は外で飼うのが一般的で、餌も家庭の残飯が主食という時代でした。ムクも例外ではなく、庭で飼われ、時には家族のおやつをもらいながら、のびのびと過ごしていました。
昔の犬事情
昔は野良犬が街中に普通にいた時代で、子犬が段ボール箱に入れられて捨てられていることもよくありました。学校の校庭や公園などで犬と触れ合う機会も多く、子供たちが給食のパンを分け合って野良犬にあげるといった光景も珍しくなかったのです。
今、昔の犬事情の違い
現在では、犬を飼うための知識や技術が発展し、家の中で飼う「室内飼い」が一般的です。また、ドッグフードやペット医療も充実しており、犬の健康管理は格段に進化しました。しかし、本作では昭和時代の飼い方が描かれており、外で飼われていたムクが幸せに16年間生き抜きました。
今の基準で見れば、「みそ汁ごはん」や「外飼い」は間違いとされるかもしれませんが、それでもムクが長生きし、家族の愛情に包まれていたことは、本作を読めばわかります。
当時はまだ「犬といえばみそ汁ご飯!!」的な時代でどこんちの犬もだいたいこんな感じで飼われていてそれが普通だった
ーーたかぎなおこ
引用元:172ページより
[エッセイ]残飯で育った犬たち:昭和の犬の飼い方、本当に間違いなのか?
感想エッセイ文を書きました。こちら(note)からお読みいただけます。
まとめ
『うちの犬、知りませんか?』は、昭和時代の犬との暮らしをリアルに描いた心温まるエッセイ漫画です。著者と愛犬ムクとの16年間にわたる生活は、ペットとの絆を深く考えさせられる内容です。昔の犬事情に触れながら、昭和の懐かしさと共に楽しめる一冊となっています。
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