明日は9月19日。正岡子規の命日「糸瓜忌」です。
「糸瓜忌」とは、正岡子規が詠んだ絶筆の句「糸瓜咲て痰のつまりし仏かな」に由来しています。この句を含む3つの糸瓜の句を詠んだことから、この名前になりました。
「糸瓜忌」は季語にもなっており、9月19日前後には多くの俳人が子規を偲んだ句を詠んでいます。
今回ご紹介する本『笑う子規』は、正岡子規の「おかしみ」に満ちた俳句を集めた一冊です。普段の俳句とは異なる、ちょっと笑ってしまうようなユーモアあふれる正岡子規の句を楽しむことができます。
書籍紹介
正岡子規の数ある俳句の中から、天野祐吉が「おかしみの強い句」「笑える句」を厳選して編集したものです。
子規は「写生」という俳句の方法論を唱えましたが、この本には彼の冗談好きで明るい性格が反映された句が集められています。例えば、「毎年よ彼岸の入に寒いのは」という句は、母親のつぶやきをそのまま句にしたものです。また、代表作の「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」や絶筆の「糸瓜咲て痰のつまりし仏かな」も収録されています。
さらに、私が特に気に入った句としては、「散った桜散る桜散らぬ桜哉」や「念仏や蚊にさされたる足の裏」など、日常の出来事をユーモラスに描いた句があります。どれも思わずクスッと笑ってしまうような句ばかりです。その句に短い文章を天野祐吉が書き加えていたり、ゆるい挿絵もあり楽しめる一冊になっています。
こんな人におすすめ
この本は、以下のような方に特におすすめです。
- 正岡子規の俳句を手軽に楽しみたい人
- ちょっとしたスキマ時間に読む本を探している人
- 旅のお供に持って行ける本を探している人
- 俳句が好きな人
- 読書家や俳句好きな人へのプレゼントを探している人
正岡子規って、どんな人?
正岡子規(1867-1902)は、現在の愛媛県松山市に生まれ、後に東京・根岸に住みました。子規は脊椎カリエスという病に苦しみながらも、旺盛な創作活動を続け、近代俳句を提唱しました。彼は短歌の革新にも取り組み、近代文学に多大な影響を与えました。
代表作に『病床六尺』や『仰臥漫録』があります。
書籍解説
著者について
天野祐吉について
1933年生まれ。日本の著名なコラムニストであり、広告批評家としても知られています。松山市立子規記念博物館の館長を務め、子規の研究や普及活動にも貢献しました。
南伸坊について
1947年生まれ。雑誌『ガロ』の編集長を経て、イラストレーター、エッセイストとして活躍していました。
本の構成
季節ごとに正岡子規の句が紹介され、それに天野祐吉が短いコメントを付け加えています。さらに、南伸坊のユーモアあふれるイラストが各所に描かれています。
また、巻末には紹介された句の一覧があり、季語も記載されています。
難しい言葉は使われておらず、一ページの文章量も少ないため、非常に手軽に読める構成です。正岡子規のかんたんな年譜も掲載されており、彼の生涯を知ることができる一冊となっています。
正岡子規をもっと知るために
子規の代表作「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」は、多くの人が一度は耳にしたことがあるでしょう。
しかし、彼の作品にはもっと多くのユーモアや人間味が詰まった句があります。子規の俳句に興味がある方は、この本を手に取ることで、彼の新たな一面を発見してください。そして、それらの句から子規の人柄も見えてくるでしょう。
句集を手に取ったことがない人へ
俳句にあまり馴染みがない人や、句集を手に取ったことがない人にも、この『笑う子規』は非常におすすめです。難解な表現や深い解釈を必要とする俳句集とは異なり、日常の風景や出来事をユーモラスに詠んだ句が多く収録されています。
天野祐吉のコメントや南伸坊のイラストが、親しみやすく、軽い読み物としても楽しめます。
初めて俳句に触れる人でも、思わずクスッと笑ってしまうような内容なので、気軽に俳句の世界に飛び込むことができるでしょう。
[エッセイ]正岡子規って、どんな人?たった3つの言葉で簡単に紹介!ーー『笑う子規』を読んで
正岡子規のことをエッセイに書きました。こちら(note)からお読みいただけます。
まとめ
ものすごく手軽に読める本であっという間に読めます。だからこそ、何度も読みたくなる一冊です。普段の読書やお友だちのプレゼントとしてもおすすめの一冊です!
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