俳句に挑戦してみたいけど、俳句のことなんて右も左もわからないという人におすすめの一冊が『俳句―人生でいちばんいい句が詠める本』です。
この記事を書いている私も俳句経験者で夏井いつき先生の門下生の一人です(最近は、活動していません)。2015年、伯方の塩の俳句コンテス(夏井いつき、八木健選)で入賞。その他にも「プレバト!!」でいう所の才能アリ俳句をいくつか師匠である夏井いつきに選んでもらったことがあります。特待生の最下位レベルくらいは少なくとも実力があるはず。
今回、紹介するこの本は、私がはじめて俳句に挑戦したときに参考にした本です。
書籍紹介
この本は、俳句の作り方をまったく知らない初心者にとって、とてもわかりやすい内容になっています。著者の八木健は元NHKアナウンサーであり、アナウンサーとしての経験から言葉の選び方が絶妙です。そのため、難しい専門用語は避け、非常に理解しやすい言葉で俳句の作り方を教えてくれます。俳句をまだ一度も詠んだことがない人でも、この本を読めば、すぐに俳句を作る楽しさを感じられるでしょう。
ただし、句作に慣れてきたり、中級者以上の人にはおすすめしません。さらにスキルを向上させたいとお考えなら、他の書籍を手に取ることをお勧めします(例えばNHK出版の本だと間違えは無いと思います)。この本は、あくまで初心者、入門者におすすめできる本です。
2008年に出版された本ですが、今でも何度も重版されている本です。
こういう人におすすめ!
- これから俳句を始めようと考えている人
- 俳句の作り方を楽しみながら学びたい人
- とにかく俳句を詠んでみたいと思う人
- 初心者に向けたおすすめの入門書を探している人
- 俳句を始めた/始めたい人への贈り物として
著者について
著者の八木健は元NHKのアナウンサーであり、かつて『BS俳句王国』の司会を務めていました。
彼は「滑稽俳句協会」を設立し、「俳句は“滑稽”」という考えの持ち主です。代表句集『ふふふ』というタイトルからもわかるように、ユーモラスな句を詠まれます。江戸時代に主流だった「滑稽」を大切にし、自然や事物をありのままに「写生」するという正岡子規の俳句の方法論とは異なる考え方の俳人です。
書籍解説
分かりやすくとっつきやすい
俳句に初めて挑戦する人にもわかりやすく、非常に親しみやすい内容になっています。難解な専門用語や俳句の細かいルールを避け、誰でもすぐに俳句を作れるような書き方をしています。
そういうことで俳句のハードルを下げ、誰でも気軽に句を詠めるように工夫されている。
俳句というと、伝統や格式の高さから難しそうなイメージを抱くかもしれませんが、この本は「まず楽しむこと」を重視してることが大きな特徴です。
元アナウンサーならではの説明上手
著者の八木健は元NHKアナウンサーという経歴を持っており、言葉の選び方や説明の仕方が非常に巧みです。俳句の基本的な作り方を、言葉のプロフェッショナルならではの視点で丁寧に解説してくれます。
彼の解説は、決して押しつけがましくなく、読者が自然に理解できるように段階的に説明が進んでいくため、俳句の知識がない人でもすんなりと入り込むことができます。
基本はしっかり!
とはいえ、俳句の基本的なルールや構造はしっかりと押さえています。この本では、初心者に必要な季語の選び方や五七五のリズム感を重視すること、俳句のもつ独特の「切れ」の感覚などもきちんと解説されています。禁じ手として、初心者が気を付けたいことなども紹介されています。そのため、初めて俳句を詠む人でも、この本を通じてしっかりと基本を学ぶことができるのです。
八木健は、俳句を楽しむことと同時に、正しい作り方や技法についても丁寧に教えてくれます。
俳句の楽しみ方
この本では、俳句の作り方だけではなく、松尾芭蕉や与謝蕪村などおなじみの俳人の名句がたくさん掲載されています。また鑑賞術も書かれているので初心者にも安心です。
俳句の楽しみ方として俳句アートや句会、吟行についての説明もあり、俳句の世界を広げる手助けもしてくれています。
俳句のノウハウ本の選び方
俳句の作り方にはさまざまなスタイルがあります。初心者が最初に俳句を学ぶ際には、名句鑑賞本を通じて多くの俳句に触れることをお勧めします。それを片手に俳句入門書でも勉強すると効率的です。
その後、少しずつ俳句の基礎がわかってきたら、自分が詠みたい俳句のスタイルを見つけることが大切です。
そして、最終的には自分に合った俳句のノウハウ本を見つけるために、複数の書籍に触れることをお勧めします。
今回紹介する本は、本当に入門の入門。俳句の事が全く分からないスタート地点に居る人は、是非この本をお選びください。
俳句の考え方は色々
この本では「擬人化」の技法を推奨しています。「プレバト!!」をご視聴している人は「あれ?」と思うことでしょう。「プレバト!!」の夏井いつきは、「初心者のうちは擬人化を使わないように」と繰り返し言っています。その背景には彼女が正岡子規のスタイル「写生」を重視しているからです。
「写生」の場合の擬人化は、難易度が高く初心者には不向きと推奨していないのです。一方、八木は「滑稽」を求める俳句を詠むために、擬人化を効果的と推奨しているのです。この違いは、俳句の中でのジャンルの違いに由来しています。
もし、「滑稽」ではなく「写生」に進みたいという考えがすでにあるのでしたら、擬人化は封印されることをおすすめします。初心者向けの技法ではありません。それ以外の人は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。実際にやってみると自分に擬人化が「合う/合わない」が見えてくるかもしれません。
とにかく俳句は楽しくなければいけません。色んな俳句の考え方はありますが、兎にも角にも「楽しむこと」が重要です。そして、俳句の中でも色々な考え方があるということを知っておきましょう。
楽しくなければ俳句じゃないぜ!
――夏井いつき
名句鑑賞におすすめの本
この二冊の詳しい紹介はこちらの記事です。
一番最初は手軽なものでいいんです。小学生向けのものでも構いません。
[エッセイ]俳句を始めた理由と距離を置いた理由:夏井いつき門下生の本音
私の俳句の体験談エッセイを書きました。こちら(note)からお読みいただけます。
まとめ
早いうちに自分が「こういう俳句を詠んでみたい」というスタイルを見つけ、それを目標にしておくと俳句の上達も早いですよ。とにかく、名句鑑賞を一杯しましょう!
書籍購入はこちらから
[PR]漫画全巻ドットコム [PR]総合電子書籍ストア【楽天Kobo】
[PR]楽天ブックス
[PR]オーディオブック配信サービス