噂を疑う勇気が、誰かを救う
1999年刊行の絵本『あしなが』は、フェイクニュースが飛び交うからこそ読みたい作品です。 時代が変わっても、人の心の構造は変わりません。 本記事では作品の見どころ、特徴を未読者向けに解説しています。
作品紹介
あらすじ
のら犬たちが暮らす町に、ひときわ足の長い美しい犬が現れます。見た目の違いから「あしなが」と呼ばれたその犬には、いつしか根拠のない噂が広がっていました。仲間たちの話を信じ、不安や苦手意識を抱いていたのら犬のケン。しかし実際に「あしなが」と出会ったことで、思いもよらない本当の姿を知ることになります。
おもな登場人物
ケン
主人公ののら犬。あしながの噂を信じ込む。
あしなが
町に現れた足の長い美しい犬。
作品キーワード
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こんな人におすすめ
本作は、以下のような方に特におすすめです。
- 周囲の意見に流されやすい人:「みんなが言っている」を信じる心理が描かれており、自分の判断の癖を客観的に見直せます
- ネット情報を見るたびに振り回されていると感じる人:噂が広がる仕組みをシンプルに体感でき、情報との向き合い方を見直せます
- 誰かに対して先入観を持っていると自覚している人:ケンが自分の思い込みに気づいていく姿が、そのまま自分を振り返るきっかけになります
- 短時間で深く考えたい人:5分で読めながら、読後にじわりと考えさせられる密度があります
- 大人が満足する絵本を探している人:親しみやすい読み口でありながら、偏見や集団心理といった普遍的なテーマに触れられます
著者について
あきやまただし
(1964−)東京生まれ。NHKアニメ『はなかっぱ』の作者として広く知られる絵本作家。「まめうし」「たまごにいちゃん」「へんしん」など人気シリーズを多数持ち、絵本大賞をはじめ受賞歴もある。
作品解説
絵本『あしなが』とは|「噂・偏見・思い込み」の物語
町に現れた「あしなが」
のら犬の町に現れた足の長い美しい犬「あしなが」に、のら犬たちは根拠のない噂を広げていきます。のら犬のケンも噂を信じましたが、実際に出会ったことで自分の思い込みに気づき、やがて二者の架け橋となる物語です。
作品が描くテーマ
中心にあるのは、噂・思い込み・偏見の連鎖構造です。誰も確かめないまま「みんなが言っている」という空気で相手が孤立していく過程と、自分の目で真実を見る勇気、誤解を解く行動が対比的に描かれています。
『あしなが』の特徴
のら犬の世界で描く社会の縮図
本作はのら犬たちの世界を舞台にしていますが、扱うテーマは人間社会にも通じます。偏見や集団心理を身近な形に置き換えています。
教訓を感じさせない構成
ユーモラスな絵とシンプルな言葉が重いテーマを包み、「教えられている」感覚なく読み進められます。最後が説教でなく後味が良いので安心して読むことができます。
『あしなが』をいま読む価値
時代を超えて響くテーマ
1999年の作品でありながら、時代を問わず色あせない普遍性があります。噂が広がり、誰かが孤立していく構造は、いつの時代にも繰り返されてきた人間の性といえるかもしれません。
いま読むべき理由
5分もあれば読めるのに、読み終えると「自分も誰かを決めつけていなかったか」とふと立ち止まれます。難しい本より、この絵本一冊のほうが日常を見直すきっかけになることもあります。子ども向けという先入観を外して、大人こそ一度手に取ってほしい作品です。
関連リンク
書籍詳細ページ
リンク先で書籍に関する基本情報をご確認いただけます。
書籍情報
- ページ数:31ページ
- サイズ:21.6×26.4cm
- 初版発行:1999年9月20日
- 出版社:講談社
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