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なぜ人は噂を信じるのか│絵本『二番目の悪者』で理解する集団心理

悪者は、自分が悪者だと思っていない
噂が社会を動かす様子を描いた大人向け絵本『二番目の悪者』の解説記事です。この物語は、今日のあなたのタイムラインで起きている。本記事では作品の見どころ、特徴を未読者向けに解説しています。

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作品紹介

二番目の悪者

二番目の悪者

  • 作者:林木林
  • 小さい書房
Amazon

あらすじ

王の座をめぐり、金のライオンは対抗馬である銀のライオンへの悪い噂を流し始める。根拠のない話はたちまち広まり、動物たちは疑いもせず信じ、やがて銀のライオンを遠ざけていく。嘘をついたのは一人。でも、それを広めたのは——? 

おもな登場人物

金のライオン

金のたてがみを持つ、金持ちで野心家のライオン。

銀のライオン

街外れに暮らす、心優しい銀のたてがみを持つライオン。

作品キーワード

●この絵本の特徴に合うキーワードです。

#人生・生き方#考える・哲学#戦争・平和#ロングセラー

こんな人におすすめ

本作は、以下のような方に特におすすめです。

  • SNSで情報をよくシェアする人:「広める側」の責任を、物語を通じて自然と考えさせられます
  • 学校や職場の人間関係に悩んでいる人:噂や陰口が生まれる構造をシンプルに整理してくれます
  • ニュースや情報を鵜呑みにしがちだと自覚している人:「信じる前に疑う」習慣を持つきっかけになります
  • 短時間でしっかり考えたい人:10分で読み終わりますが、読後の問いは長く続きます
  • 選挙や社会問題に関心がある人:世論がどう動かされるかを、寓話として体感できます

著者について

林木林(はやし・きりん)│作

詩・絵本・作詞家。詩集『植星鉢』、絵本『おおきなけやき』『はやくちまちしょうてんがい』ほか著作多数。

庄野ナホコ(しょうの・なほこ)│絵

イラストレーター・絵本作家。書籍や雑誌を中心に、挿絵や装画など幅広く手がける。繊細さと物語性をあわせ持つ表現で、多くの作品世界を彩っている。主な絵本に『ルッキオとフリフリ』シリーズ、『北極サーカス』などがある。

出版社について

<小さい書房>は、ひとり運営の出版社です。子どもに読み聞かせた絵本との出会いをきっかけに、絵本は大人が読んでも深く味わえると考え、立ち上げられました。規模の小ささを強みに、絵本に親しみのない人にも届く本づくりをする小さな出版社です。

作品解説

『二番目の悪者』とは|フェイクニュース時代の寓話

どんな絵本か

『二番目の悪者』は、大人向け絵本です。情報リテラシーや集団心理、無関心の罪といった重いテーマを寓話として描いた作品です。

王様がいなくなった国で起きたこと

動物たちの国で、新しい王を決めることになりました。金のライオンは、自分がふさわしいと考えています。ところが、街外れで暮らしていた銀のライオンこそがふさわしいという噂が耳に入ります。

噂が広がり、空気が変わる

金のライオンは、銀のライオンについて根拠のない噂を流します。最初は小さな噂でも、動物たちのあいだでどんどん広がります。「みんなが言っているから本当だろう」と思う気持ちが重なり、銀のライオンは次第に皆から避けられていくことになります。

『二番目の悪者』の特徴

噂が広がるしくみをそのまま描く

大切なことなのに情報がはっきりしないとき、人は噂に頼りやすくなります。そして話は伝わるうちに単純になり、誇張され、聞いた人の先入観に合わせて形を変えていきます。この物語では、そうした噂の広がり方がそのまま描かれています。

「二番目の悪者」とは誰か

一番目に悪いのは、もちろん嘘の噂を流した金のライオンです。でも、悪者は嘘をついた当人だけではない——他にも悪者がいるのではないか。この物語では、その問いこそがテーマになっています。そしてその問いは、読んだ人全員への問いかけでもあります。

大人がいま手に取るべき理由

SNS時代に読む意味

「ただシェアしただけ」のつもりが誰かを追い詰め、「みんなが言っていた」が事実として一人歩きする。そんな光景は、SNSを開けば毎日のように目にします。2014年の出版当時より、いまのほうが身近な話として刺さる作品になりました。

対象年齢について

出版社のページには「大人向け絵本」とあります。絵本=子ども向けという思い込みは禁物です。もっとも、「大人向け」とはいいつつも、出版社が掲げるのは「年齢を問わず」、「一人でも多くの人に」読んで欲しいという思いです。発刊後には選定図書にも選ばれ、ルビも振られているため、小学校高学年から手に取れる作品です。

読み終えた後に残るもの

ページ数も文字数も少なく、10分足らずで読み終わります。しかし「自分はあの動物たちと違うか」という問いは、読後もしばらく頭を離れません。悪意のない「悪者」に自分がなっていないか——長く考えさせられる一冊です。

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関連リンク

書籍詳細ページ

リンク先で書籍に関する基本情報をご確認いただけます。

二番目の悪者

二番目の悪者

  • 作者:林木林
  • 小さい書房
Amazon

書籍情報

  • ページ数:64ページ
  • サイズ:21 x 14.8 x 0.6 cm(大判/26 x 18 x 1 cm)
  • 初版発行:2014年11月26日
  • 対象年齢:大人
  • 出版社:小さい書房

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