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与え続けた木は幸せだったのか│『おおきな木』大人が読むべき理由

与え続けることが、幸せなのか
シェル・シルヴァスタインの絵本『おおきな木』は、読む人の人生が映し出されるような作品です。美談として読むか、そうでないかは、あなた次第です。本記事では作品の見どころ、特徴を未読者向けに解説しています。

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作品紹介

おおきな木

おおきな木

  • 作者:シェル・シルヴァスタイン
  • あすなろ書房
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あらすじ

りんごの木は、ひとりの少年のことが大好きでした。少年もまた、木のそばで大きくなっていきます。けれど時がたち、少年は大人になります。彼は何かに困るたびに木のもとへやってきて、願いごとをします。木はそのたびに、自分のすべてを差し出しました。

おもな登場人物

大きな木

ぼうやをひたむきに愛し、持てるものをすべて与え続けるりんごの木。

ぼうや

木とともに育ち、やがて老いていく。幼い日の無邪気さと、大人になってからの姿が対照的に描かれる。

こんな人におすすめ

本作は、以下のような方に特におすすめです。

  • 答えの出ない問いを、自分なりに持ち歩きたい人:この本は結論を出しません。余白を抱えたまま読み続けられます
  • 絵本は子ども向けだと思っている人:シンプルな絵と短い言葉の中に、大人ほど引っかかるものが潜んでいます
  • 短時間で読めて、長く考えられる本を探している人:30ページ足らずでありながら、読後の問いは長く続きます
  • 翻訳の違いを楽しみたい人:同じ物語でも、訳によってまったく異なる読み心地を体験できます
  • 大切な人へのギフトを探している人:短くて手に取りやすく、それでいて深く残る。贈った理由を語りたくなる一生ものの一冊です

著者について

シェル・シルヴァスタイン│作

(1930‒1999)アメリカ生まれ。絵本作家として広く知られるほか、詩人・漫画家・ソングライターとしても活躍した。代表作に『ぼくを探しに』『歩道の終わるところ』など。

村上春樹(むらかみ・はるき)│訳

(1949‒)京都府生まれ。代表作に『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』などがあり、海外でも高い評価を受ける。

作品解説

『おおきな木』とは|りんごの木と少年の物語

物語の骨格はシンプルな反復

登場するのは、一本のりんごの木だけです。少年は幼い頃、毎日木のもとへやってきては、遊ん過ごしました。木はその時間をこの上ない幸せとして感じていました。やがて少年は成長します。木のもとを訪れる理由が、「遊び」から「要求」へと変わっていきます。少年が求めるたびに、木は持てるものを差し出し続けます。物語は「来る→求める→与える」の繰り返しで、時間が流れていきます。

解釈を委ねる、描き方の設計

本作は、木が何を思い、少年がなぜそう行動するのか説明しません。出来事だけが淡々と積み重なり、読者は自分で埋めることになります。最低限の情報量が、解釈の余地を意図的に残しています。

『おおきな木』の邦訳について

日本語訳は2種類ある

日本では現在、主に2つの翻訳で読まれています。村上春樹訳(あすなろ書房)と、本田錦一郎訳(篠崎書林)です。同じ原作でありながら、訳によって作品の印象がかなり異なります。

村上春樹訳と本田錦一郎訳、何が違うか

村上訳(新板)は文学的でストレートな文体が特徴で、木を明確に女性的な存在として描きます。少年の呼び方も終始「少年」で統一されており、木の視点が一貫して感じられます。現在、書店で入手しやすい版です。本田訳(旧版)はやわらかい文体で、読み聞かせ向きのリズムがあります。少年の呼び方が成長に合わせて変化するなど、物語の時間経過がより伝わります。

どちらを選ぶか

優劣で選ぶ必要はありません。村上訳も本田訳も、同じ原作から生まれた、それぞれ異なる読み方ができる版です。両方を手元に置いておき、その日の気分で手に取る一冊を決める。じっくり向き合いたい夜もあれば、やわらかく読み流したい日もある。そのときの自分に合った訳で読む、それがこの絵本のいちばん贅沢で最適解な読み方です。

いま大人が『おおきな木』を読む理由

読むたびに「今の自分」が映し出される

木に憧れる時期があり、少年に苛立つ時期があり、やがて木の気持ちが痛いほどわかる時期が来る。読み返すたびに、今の自分がどこにいるかを問われます。人生のステージによって、見えるものがまるで変わる作品です。

答えを出さないことが、この絵本の強さ

与えることは美しいのか、消耗なのか。この絵本はその問いに最後まで答えを出しません。5分程度で読み終えながら、しばらく頭を離れない。大人ほど引っかかり、大人ほど考え込む。そういう絵本です。

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書籍詳細ページ

リンク先で書籍に関する基本情報をご確認いただけます。

おおきな木

おおきな木

  • 作者:シェル・シルヴァスタイン
  • あすなろ書房
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『おおきな木』の書籍情報

  • 定価:1,540円(税込)
  • ページ数:57ページ
  • サイズ:23×18cm
  • 初版発行:2010年9月日
  • 対象年齢:小学低学年~
  • 出版社:あすなろ書房

本田錦一郎・旧版

おおきな木

おおきな木

  • 作者:シェル・シルヴァスタイン
  • 篠崎書林
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