白い車と赤い車が、ひとつの道を走る
三浦太郎の『うみへ やまへ』は、海へ向かう物語と山へ向かう物語が一冊に収められた絵本です。シンプルな絵の中に、大人も味わえる発見があります。本記事では物語の見どころを未読者向けに解説しています。
作品紹介
あらすじ
きょう、ぼくはおとうさんの生まれた海辺の町へ。白い車に乗って、山の家から海へ向かいます。牧場をこえ、橋をわたると、はじめて見る灯台があらわれます。本をうしろから開くと、こんどは「わたし」のお話。赤い車で、海辺の町からおかあさんの生まれた山の家へ。前からも、後ろからも読める絵本です。
おもな登場人物
「ぼく」
はじめて海辺の町を訪ねる男の子。
「わたし」
はじめて山の家へ向かう女の子。
こんな人におすすめ
本作は、以下のような方に特におすすめです。
- 巧妙な仕掛けのある絵本が好きな人:前後どちらからも読める構造で、読む向きによる物語の変化を体験できます
- シンプルで洗練された絵を楽しみたい人:色数を抑えた画面構成で、デザイン性の高いビジュアルを味わえます
- 何度も読み返せる本を探している人:読む順番や注目する位置を変えることで、新たな発見があります
- 親子で一緒に読みたい人:子どもは移動のワクワクを、大人は構造の面白さをそれぞれ楽しめます
- インテリアとしても映える絵本を求める人:余白を活かした落ち着いたデザインで、飾っても楽しめます
著者について
三浦太郎(みうら・たろう)。1968年、愛知県生まれ。大阪芸術大学卒業。ボローニャ国際絵本原画展に入選し、『ちいさなおうさま』で第58回産経児童出版文化賞美術賞を受賞しました。代表作に『くっついた』『よいしょ』『とどくかな』などがある。
作品解説
『うみへ やまへ』とは|白い車と赤い車
表紙から読む「うみへ」
表紙側から読むと、白い文字で語られる「うみへ しろいもじのおはなし」が始まります。山のふもとを出発した「ぼく」が乗る白い車は、海辺の町へ向かって進みます。物語は出発から到着へ向かって、時間通りに前へ進みます。
裏表紙から読む「やまへ」
裏表紙側から読むと、赤い文字の「やまへ あかいもじのおはなし」が始まります。海辺を出発した「わたし」が乗る赤い車は、山の家を目指します。こちらも、出発から到着まで順に進む物語です。
『うみへ やまへ』の特徴
一つの風景を共有する二つの時間
見開き2ページには、基本的に同一の場面が描かれています。左ページ上部に「しろいもじのおはなし」、右ページ下部に「あかいもじのおはなし」が配置されます。文章は別々ですが、場面は共通です。同じ風景の中で2台の車がそれぞれ進んでいます。
同じ場面で逆方向に進む車
初読では、「同じ場所なのに進行方向が違う」という感覚に戸惑います。自分が読んでいる物語は前に進んでいるはずなのに、画面には逆へ向かう車がいる。読む向きによって、どちらかの車が“逆再生”のように見える不思議な構造です。
読み方のポイントと作品価値
まず一方向を最後まで読む
理解の近道は、まずどちらか一色の文字だけで最後まで読むことです。その後、反対側からも同じように読みます。三度目以降は同時に二色を読みながらら進むのも楽しみ方の一つです。
ロングセラーになりうる理由
描かれているのは、車での移動と風景の変化という普遍的な題材です。特定の時代性に依存していません。構造の独自性とテーマの普遍性をあわせ持つ点は、長く読まれる条件を備えています。
大人が読む意味・理由
絵はシンプルで、色数も抑えられています。余白を活かした画面は、インテリアとしても成立するデザインです。物語は単純ですが、何度読んでも、新たな対応関係に気づくことがあります。
関連リンク
書籍詳細ページ
リンク先で書籍に関する基本情報をご確認いただけます。
『うみへ やまへ』の書籍情報
- 定価:1,650円(税込)
- ページ数:38ページ
- サイズ:1 x 24 x 28 cm
- 初版発行:2024年7月
- 対象年齢:4歳~
- 出版社:偕成社
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