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『あさって町のフミオくん』ってどんな本?子どもも大人も楽しめる異色の児童文学

「“ふつう”って、なんだろう?」——この問いが心にひっかかるあなたへ。

小学3年生のフミオくんが巻き込まれる、ちょっと不思議で、とびきりユーモラスな日常。
それは思わず笑ってしまうような出来事の連続でありながら、どこか私たちの“現実”を映し出す鏡のようでもあります。

本記事では、日本児童文学者協会新人賞を受賞した『あさって町のフミオくん』を詳しくご紹介します。
小学3年生のフミオくんが出会う、しゃべる運動ぐつやがいこつのおじさん、二足歩行のシマウマ——

そんな「おかしな」世界を通じて、「常識とは?」「ふつうって誰が決めるの?」といった、読み手の心にそっと問いかけてくる一冊です。

テンポよく読める短編形式と個性的なイラストが、小学生から大人までをぐいぐいと引き込みます。

ユーモア、笑いとちょっとの不気味さが絶妙にブレンドされた、唯一無二の読書体験を、ぜひ。

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作品紹介

あらすじ

フミオくんは小学3年生。ふつうの毎日をすごしているつもりなのに、なぜかいつも変なことにまきこまれる。
牛乳を買いに行っただけなのに、シマウマの子どもとまちがえられて家につれて行かれたり、プールに遊びに行く約束をしていたおじさんががいこつになって待ち合わせの場所に来たり、しゃべる運動ぐつに話しかけられたり、耳にタコができたりする。

フミオくんは「おかしい」と思っているけれど、まわりの人たちは全然気にしない。

これは、フミオくんのちょっとふしぎで、おかしな日常をえがいた、ユーモアたっぷりの4つのお話。

おもな登場人物

フミオ

小学3年生の男の子。あさって町に住んでいる。気がつくといつもヘンなできごとにまきこまれてしまう。

シマウマ

二本足で立ってあるくシマウマ。フミオを、自分の子ども「シマオ」だとまちがえて、むりやり自分の家へつれて行こうとする。

ジロウおじさん

フミオのお父さんの弟。とても暑がりでがいこつのすがたでフミオの前にあらわれる。

運動ぐつ

自分たちにぴったり合う足の子をさがしている、しゃべる運動ぐつ。

タコ

なんども同じことで注意されていると、耳にできるタコ。おしゃべりでちょっとちゃめっ気がある。

こんな人におすすめ

本作は、以下のような方に特におすすめです。

  • 子どもに“おもしろい本”を読ませたい親御さん:小学生が共感できる主人公と奇想天外な展開で、読書への入り口にぴったりです。
  • ナンセンスなユーモアが好きな人:シマウマが自分の子どもと人間の子どもを間違える、しゃべる運動ぐつなど、突飛だけど緻密なストーリー展開が魅力です。
  • テンポよく読める短編を探している人:1話完結型で、どこからでも読みやすく、読書が苦手な子にも◎。
  • シュールな世界観が好きな大人の読者:子ども向けでありながら「普通とは何か?」を問いかける哲学的な要素もあり。
  • 記憶に残るキャラクターを楽しみたい人:ガイコツのおじさんや耳にできる“しゃべるタコ”など、ビジュアルも含めて強烈な印象が残ります。
  • 読書感想文の題材を探している小学生・保護者:楽しく読めて「おかしさ」や「普通ってなに?」などテーマも掘り下げやすい。
  • 絵本や挿絵つきの児童文学を楽しみたい人:高畠那生の個性的なイラストが、物語と調和し、読む楽しさを倍増させてくれる。

著者について

昼田弥子(ひるた・みつこ):作

1984年岡山県生まれ。デビュー作『あさって町のフミオくん』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。以後も『エツコさん』『かぜがつよいひ』などで数々の児童文学賞を受賞し、独自のユーモアと想像力あふれる物語世界を描き続けている。

高畠那生(たかばたけ・なお):絵

絵本作家。1978年岐阜県生まれ。主な作品に『ぼく・わたし』『チーター大セール』(絵本館)、『いぬのムーバウ いいねいいね』(講談社)、『おまかせツアー』(理論社)などがある。

作品解説

とびきり不思議な日常を描く短編集

へんてこな出来事が“ふつう”の世界

『あさって町のフミオくん』は、小学3年生の主人公・フミオくんを中心に展開する全4話の短編集です。

舞台は、どこかズレた日常があたりまえに起こる「あさって町」。
牛乳を買いに行っただけなのにシマウマの子どもとまちがえられたり、暑さで服どころか色々脱いで「がいこつ」になったおじさんとプールに行ったりするなど、フミオくん(私たちの常識)では説明できない出来事がつぎつぎに起こります。

ナンセンスと整ったストーリー展開の両立

物語はどれも短く、1話完結型。テンポよく読める一方で、発想は大胆かつ独創的です。
登場人物や出来事の奇抜さに目を引かれますが、それぞれの話にはきちんとした導入と結末があり、構成がしっかりしています。
ドタバタ感を楽しむだけでなく、1話ごとにきちんと物語として“読ませる”力があります。

奇抜なキャラクターが物語を引っぱる

個性的な登場人物たち

各話には、読み手の記憶に残る強烈なキャラクターが登場します。シマウマ、運動ぐつに耳にできたタコ…モノや動物が人間のようにふるまい、フミオくんを巻き込んでいきます。
また、フミオくんのおじさんである「ジロウおじさん」は、見た目ががいこつという強いインパクトを持ちながら、どこか親しみのある人物として描かれています。

フミオくんの視点で見る“ズレた日常”

物語はすべてフミオくんの視点で語られます。読者と同じように「おかしい」と思いながらも、周囲の大人たちはそれをふつうのこととして受け入れてしまいます。この“ズレ”が物語の面白さと不気味さを生み出し、読者に「ふつうとは何か?」という小さな問いを投げかけます。

子どもにも大人にも届く構成と表現

小学生から大人まで楽しめる

対象年齢はフミオくんと同じ小学3年生前後ですが、物語のシュールさやナンセンスな展開は、大人が読んでも十分に楽しめます。
低学年の子どもにはインパクトのあるキャラクターや展開が魅力であり、高学年や大人には物語構造や“フツウとフシギ”の対比が興味深く映るはずです。

ビジュアルと文のバランス

挿絵は高畠那生によるもので、本文のシュールさと一致した独特なタッチが、物語世界をより鮮明にしています。
絵と文章が互いに補い合いながら、作品全体の印象を強く残します。

関連リンク

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