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【読書感想文対策】女性研究者の草分け、鳥居きみ子の伝記本を読んで考えること

第71回(2025年) 青少年読書感想文全国コンクール〈中学校の部〉課題図書

『鳥居きみ子:家族とフィールドワークを進めた人類学者』は、2025年の全国読書感想文コンクール「中学生の部」の課題図書に選ばれた注目の一冊です。

女性が自由に生きることが難しかった明治から昭和にかけて、自分の人生を切り開いた鳥居きみ子。人類学者の夫・龍蔵とともに東アジア各地で調査を行い、家族ぐるみで研究に取り組んだ、先駆的な女性研究者の姿が描かれています。

本記事では、

  • かんたんなあらすじ
  • 登場人物の紹介
  • 時代背景と解説
  • 本書が伝えたいテーマ

をわかりやすくまとめています。読書感想文を書く前の理解を深めたい方や、内容を整理したい方におすすめです。ぜひ参考にしてください。

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作品紹介

あらすじ

社会で女性が活躍するのが難しかった明治から昭和の時代。
鳥居きみ子は、人類学者・鳥居龍蔵の妻でありながら、自らも先駆的な研究者として活躍しました。
東アジアのさまざまな土地を家族とともに巡り、現地の暮らしや伝承を記録。
「学者の妻」ではなく、調査を共に進めたパートナーとして生きたきみ子の姿を描いた、人物伝です。

おもな登場人物

鳥居きみ子

徳島出身の教師・研究者。女性が学術の世界に立つことが難しい時代に、現地調査を通して民族学に貢献した。

鳥居龍蔵

きみ子の夫であり、東アジアを広く調査した人類学者。フィールドワークを重視し、家族とともに現地調査を行った。

坪井正五郎

龍蔵の師であり、日本人類学の草創期を支えた研究者。

こんな人におすすめ

本作は、以下のような方に特におすすめです。

  • 読書感想文の題材を探している中学生の方:読書感想文コンクール〈中学校の部〉の課題図書なので、テーマ性も明確で感想文に書きやすい作品です。
  • 歴史や時代背景を学びながら読み物を楽しみたい方:明治から昭和にかけての社会と、当時の女性の生き方がリアルに描かれています。
  • 女性の生き方や自立に関心のある方:家庭におさまらず、自分の道を見つけて進んだ鳥居きみ子の姿は、現代の生き方のヒントになります。
  • 家族や絆をテーマにした物語が好きな方:調査・研究を家族全員で行うというユニークな生活スタイルが描かれており、家族の支え合いの形が伝わります。
  • 人類学やフィールドワークに興味のある方:実際の文化調査や現地での交流が丁寧に描かれており、学問の面白さにも触れられます。
  • 将来の進路や「自分のやりたいこと」に悩んでいる方:迷いながらも人生を切り開いたきみ子の姿が、進路に悩む人の背中をそっと押してくれます。

著者について

竹内紘子(たけうち ひろこ)。1944年生まれ。徳島大学教育学部卒業後、高校の国語教師として長年教育に携わる。主な著書に『まぶらいの島』『お遍路ウォーク』(くもん出版)などがある。

作品解説

時代背景と女性の立場

良妻賢母とされた女性像

明治時代の日本では「良妻賢母」が理想の女性像とされ、女性は家庭に入って夫や子どもを支えることが当然とされていました。

社会進出に対する制限

「男は外、女は内」という考えが支配的で、女性が公の場で活躍することは極めて難しく、偏見や批判にさらされることも少なくありませんでした。

教育と職業の壁

女性の教育や職業選択は限られており、自立を志す女性は周囲から理解を得にくい状況でした。

鳥居きみ子の歩んだ人生と研究のかたち

教員から研究者へ、意図しなかった転身

鳥居きみ子は、もともと小学校教員として働いていましたが、修学のため上京し音楽学校へ進学。
その後、鳥居龍蔵との結婚を機に、人類学という未知の分野へ足を踏み入れます。彼女の研究活動は、計画されたものではなく、流れに任せて進んだものでした。

家族でのフィールドワークという独自のスタイル

龍蔵のモンゴルや中国などの調査に、きみ子だけでなく他の家族が同行するというスタイルは異例でした。
きみ子自身は現地で教師を務めつつ、生活や伝承などの文化的要素を記録。後に著作としてまとめられ、研究者としての評価を得ます。

研究と家庭の両立

乳児を連れて海外調査に出たり、子どもを養子に出す決断をしたりと、現代の価値観では戸惑うようなエピソードもあります。
しかし、きみ子の「目の前のことに向き合いながら生きる」姿勢は、当時としては極めて柔軟かつ先進的でした。

鳥居きみ子の業績と本書の意義

女性研究者の草分けとしての評価

研究をまとめた本の出版により、きみ子はモンゴル研究者として名を知られるようになります。
研究成果は、当時としては画期的なものであり、女性が学術的に成果を出す先例となりました。

鳥居家が築いた研究のかたち

龍蔵が54歳で東京大学を辞めたあと、自宅に「鳥居人類学研究所」を設立しました。
きみ子は、調査に必要な連絡や交渉、通訳、会計などを担当し、まさに龍蔵の共同研究者として活躍します。
長女の幸子、次女の緑子、次男の龍次郎も、それぞれの得意分野で調査に関わり、鳥居家ならではの「家族での研究スタイル」が大きな成果につながりました。

この本が伝えたいこと

本書は、時代に抗うヒロインの物語ではなく、時代の流れの中で「やりたいこと」を見つけていった女性の記録。

特に伝えたかったことは、自分の道を模索しながら人生に向き合った鳥居きみ子と家族の姿です。迷いながらも挑戦を続けた彼らの生き方は、時代を超えて今を生きる私たちにも通じるものがあります。

また、国や境界を越えて人と人がつながることを願った、きみ子と龍蔵の思いが、今の時代にも受け継がれてほしいという願いが込められています。

関連リンク

書籍詳細ページ

リンク先で書籍に関する基本情報をご確認いただけます。

参考にしたサイト

この記事の執筆の際、以下のサイト、動画を参考にさせていただきました。

  1. 徳島県立鳥居龍蔵記念博物館公式HP
  2. [YouTube]鳥居龍蔵とその時代

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