「まさか⋯このマンガ、ヒロインの恋のライバルは"お金"では!?」
いや、それ以前に――このヒロイン、何を考えているのか分からない!?
『境界のRINNE』は、幽霊が見える女子高生・真宮桜と、極貧死神ハーフ・六道りんねが織りなす、静かで不思議な空気をまとったラブコメディです。
この記事では、物語のあらすじや登場キャラの魅力、そして『境界のRINNE』ならではの“淡々とした”恋愛模様について、分かりやすく解説します。
これから読んでみたい方や、他の高橋留美子作品との違いが気になっている方も、ぜひチェックしてみてください!
作品紹介
あらすじ
女子高生・真宮桜は、幼い頃に神隠しに遭って以来、幽霊が見える体質になってしまう。高校に進学した桜は、謎の羽織をまとうクラスメート・六道りんねが幽霊と戦う姿を目撃し、彼が死神の血を引く存在だと知る。
成仏できない霊を助けるりんねと関わるうちに、桜は彼の貧乏すぎる生活や過去を知り、やがて幼少期に自分を助けた女性・魂子との意外なつながりに気づく。幽霊騒動に巻き込まれながら、二人は不思議でにぎやかな学園生活を送っていく──。
おもな登場人物
六道りんね(ろくどう りんね)
死神と人間の血を引く高校生。成仏できない霊を救う仕事をしているが、極度の貧乏でいつもお金に困っている。真面目で冷静だが、どこか抜けた一面もあり、報酬や食べ物にはがめつい。恋愛には奥手ながら、桜に対しては誰よりも誠実で一途。
真宮桜(まみや さくら)
幽霊が見える高校生の少女。どんな状況でも冷静沈着で、滅多に驚いたり取り乱したりしない。物腰は柔らかく優しいが、感情をあまり表に出さないため、何を考えているのかわかりにくいことも。りんねの活動を知り、次第に協力するようになり、彼を支える存在となる。
書籍情報(巻数・出版社・受賞歴)
●巻数表記は、Kindle版や文庫版など、入手しやすい流通形態を基準としています。
こんな人におすすめ
本作は、以下のような方に特におすすめです。
- 恋愛要素がゆっくり進む物語が好きな人:お互い初恋で、じっくりと関係が深まっていく過程が魅力。
- ツンデレよりもクーデレ系のキャラが好きな人:りんねは高橋留美子主人公の中でも珍しく、素直で控えめな一途キャラ。
- 感情をあまり表に出さないヒロインが好きな人:桜は冷静で掴みどころがないが、その静かな魅力が光る。
- 高橋留美子作品の“ゆるいギャグ”が読みたい人:りんねの極貧ネタや、ヒモ適性の高さなど独特なコメディ要素が楽しい。
- 日常系+ちょっと不思議な世界観が好きな人: 霊界や幽霊が絡むけれど、日常の延長線上で描かれるちょっと不思議な世界観です。
著者について
高橋留美子。1957年10月10日、新潟県生まれ。1978年に『うる星やつら』でデビューし、代表作に『めぞん一刻』『らんま1/2』『犬夜叉』などがある。数々の賞を受賞し、作品は多く映像化された。現在も『MAO』を連載中で、漫画界の第一線で活躍している。
作品解説
高橋留美子作品の中でも異色のラブコメディ
歴代作品とは異なる関係性
高橋留美子の少年漫画といえば、ドタバタ劇の中で激しくぶつかり合うラブコメディーが定番ですが、同じくラブコメディー路線である『境界のRINNE』はその流れを大きく変えました。
ヒロインが冷静で感情の起伏が少ない
ヒロインの真宮桜は、高橋留美子ヒロインの中でも異色的な存在で、冷静かつ淡々とした性格を持っています。過去作品のラムやあかね、かごめのような感情豊かで積極的なキャラクターとは対照的で、嫉妬や怒りを露わにすることはほとんどありません。
むしろ、作者自身も「何を考えているのか掴みどころがない」と語るほどで、読者からも「淡白すぎる」「感情をもっと出してほしい」という意見がある一方で、その独特な空気感が魅力と感じる人も多いです。
何を考えてるのか分からないとりんねは良く言ってましたが、描いてる私も「今この人、無だ」と掴み所がなかったです。
――高橋留美子
引用元URL:高橋留美子情報(X公式アカウント)
お互いに初恋で、一途な関係
『境界のRINNE』以前の作品では、主人公やヒロインが別の異性に気持ちを揺らしたり、ライバルキャラが積極的に介入することで、恋愛関係が複雑化していました。しかし、本作のりんねと桜は、お互いが初恋であり、他の異性に惹かれることはありません。これは高橋留美子作品の中でも珍しく、二人の関係が一途に進んでいく点が特徴的です。
恋愛における価値観の変化
りんねと桜は、それぞれ相手の「他者に対する優しさ」に惹かれたという点でも異質なカップルです。過去の作品では、「お互いに衝突しながらも強く惹かれ合う関係」が描かれることが多かったのに対し、本作では、相手の思いやりを感じながら、少しずつ関係が深まっていく穏やかな恋愛が展開されました。
ツンデレからクーデレへ—— りんねの主人公像
主人公のりんねは、これまでの高橋留美子による少年漫画の主人公(あたる、乱馬、犬夜叉)とは異なるタイプのキャラクターです。
素直で一途な主人公
あたるや乱馬、犬夜叉はツンデレ気質が強く、ヒロインに対して素直になれず、恋愛面で不器用な行動を取ることが多かったです。一方で、りんねはヒロインに対して非常に素直で、一途に桜のことを想っています。
とはいえ、積極的に好意をアピールするわけではなく、どちらかというと「クーデレ」寄りのキャラクターです。物語の中でデレることは少ないですが、心の中やモノローグでは桜への好意がはっきり描かれており、読むと「りんねは、桜が好きなんだ」と感じる場面が多いです。
ラストでは明確に彼氏彼女に
本作の特徴として、最終盤まで桜は自分の気持ちをはっきりと自覚しません。これは、桜の感情が希薄であることや、作品のバランス上、恋愛を前面に押し出さないスタイルが取られていたことが影響しています。
そのため、物語の途中で登場したライバル・鳳は、桜の気持ちが揺らがなかったために「恋敵として成り立たなかった存在」とも言えます。しかし、最終的には恋愛がはっきりと成就し、ぼかさずに彼氏彼女の関係が成立しました。
二人の関係性を支える「静かな雰囲気」
派手な感情表現はないが、温かい関係
りんねと桜の関係は、お互いに穏やかで感情を露わにすることが少ないため、全体的に「ぽやっとした空気感」が漂っています。会話のテンポも落ち着いており、過去の作品のような激しい掛け合いやドタバタ劇はあまり見られません。
しかし、この「静かで温かい雰囲気」が作品の魅力となっており、読者によっては「ただただ応援したくなる二人」と感じられるような関係性が築かれています。
桜の最大のライバルは「お金」
本作のコメディ要素として、りんねの極度の貧乏ネタが頻繁に登場します。りんねは霊の成仏を手助けすることで報酬を得ていますが、経済的に常に苦しい生活を送っており、ことあるごとにお金を優先する場面が描かれます。
そのため、読者の間では「桜の恋のライバルは最後までお金だったのでは?」という意見もあり、作中のギャグ要素としても機能しています。
真面目に働くのにヒモ適性が高いりんね
りんねは仕事に対して真面目ですが、なぜかヒモ適性が非常に高く、桜との関係の中でもその片鱗が垣間見えます。彼が桜の手作り弁当を嬉しそうに食べたり、桜に何かをおごってもらうことを期待している場面など、細かい部分で「このままヒモになりそう」と思わせる描写があり、コメディ要素としても楽しめます。
高橋留美子作品でまさかのBL要員・沫悟
登場人物の一人の沫悟(まつご)は、りんねの小学校時代の親友で、再会後に友情を超えた執着を見せる異色キャラ。
隙あらば二人きりになろうとし、夢の中で挙式を挙げようとするなど、周囲から「そっち系では?」と疑われるほど。だが本人は「友情」だと言い張るものの、恋愛感情と捉えられる描写があり、高橋留美子作品では珍しいBL的なニュアンスもあります。
関連リンク
書籍詳細ページ
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