『ゲゲゲの家計簿』は、水木しげるが漫画家として成功するまでの苦労や、家族と共に歩んだ日々をつづったエッセイです。戦後の貧しい時代、収入が不安定な中で描き続けた水木しげるとその家族の生活には、多くの困難と試練がありました。本記事では、作品の概要から見どころ、そして水木しげるが家庭の中でどのように困難を乗り越えてきたかに焦点を当て、彼の人間味あふれるエピソードを紹介します。
作品紹介
あらすじ
『ゲゲゲの家計簿』は、水木しげるが売れない時代に記していた家計簿をもとに、その生活を描いた作品です。貧しい暮らしの中で、必死に生きる姿が、時に厳しい現実と共に描かれています。将来の見通しが立たない中でも絵に人生をかけ、懸命に生きる水木しげるの姿が、家計簿を通して浮かび上がります。特に下巻では、朝ドラ『ゲゲゲの女房』にも登場したようなエピソードが多く綴られています。
おもな登場人物
武良茂
水木しげるの本名。世に認められるまでものすごく苦労する。仕事をしてもお金にならないことも度々・・・そんな時代に家計簿を書く。
武良布枝
水木夫人。見合いをしてからたった5日で水木と夫婦になる。下巻から登場。家庭のやりくりに尽力する頼れる妻。
こんな人におすすめ
- 水木しげるのファンの人:水木しげるの作品を愛する人にとって、彼がどのような苦労や努力を経て成功を手にしたのか、その裏側を知ることができる一冊です。
- 朝ドラ『ゲゲゲの女房』を楽しんでいた人:NHKの連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』で描かれた水木しげると布枝さんの物語が心に残っている方に!さらに深いエピソードが読むことができます。
- 成功者の苦労話を知りたい人:収入が不安定な中で、水木は生きるために諦めませんでした。彼の成功への道のりは、多くの人に共感を呼び、勇気を与えてくれるはずです。
著者について
水木しげるは、『ゲゲゲの鬼太郎』をはじめ多くの作品を生み出した有名な漫画家です。しかし、その道は決して平坦ではなく、貧しい生活が続く中での挑戦でもありました。本作では、その時代のことが分かるエピソードが紹介されています。
作品解説
水木しげるのリアルな苦労の記録
16年間の家計簿から始まる物語
本書のきっかけとなったのは、水木サンのマネージャーで実弟の武良幸夫さんが見つけた一冊のぶ厚いノート。そこには、水木サンが「水木荘」を購入してから、水木プロダクションを立ち上げるまでの16年間の家計簿が記されていました。
この家計簿をもとに、彼の生活と奮闘が描かれたのが本エッセイです。
困窮する日常とお金の苦労
紙芝居作家や貸本漫画家として活動していた極貧の時代は、どれだけ作品を描いても生活が改善されない厳しい日々。約束されたお金もきちんと支払われることが少なく、生活は常にギリギリ。お金が入ってもあっという間に消えていき、残高が0円になることもしばしば…。お金が足りず、体調を崩しても病院に行けないような、追い詰められた生活が続きます。
朝ドラ『ゲゲゲの女房』にも描かれていたエピソードが、この家計簿の実際の数字を通して一層リアルに感じられ、当時の厳しさが伝わってきます。
ゲゲゲの女房との出会い―そして、夫婦で支え合う日々
下巻の冒頭では、「ゲゲゲの女房」こと武良布枝さんが登場。布枝さんと水木サンの超スピード結婚のエピソードから始まり、二人三脚で苦難の時代をどうやって乗り越えてきたのかが描かれています。また、夫婦の対談も上・下巻に収録され、二人の絆が垣間見える内容になっています。
『名探偵コナン』作者・青山剛昌の推薦文
上巻の帯には、水木サンと同郷である『名探偵コナン』の作者・青山剛昌氏が寄せた推薦文も掲載されています。
まさにリアル版『ゲゲゲの女房』!!
――青山剛昌
引用元:上巻帯コメントより
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苦労し続けた水木サンの家計簿を通して浮かび上がるのは、決して裕福ではなかった彼の生活と、それでも諦めずに道を歩み続けた水木サンの強さです。そして、そんな困窮した時代を夫婦二人で支え合う姿に感動する作品です。
一緒に『ゲゲゲの女房』もどうぞ!
朝ドラの原作で水木夫人・武良布枝さん原作のエッセイも併せて読んでみてはどうでしょうか?