『水木しげるの異界探訪記』は、妖怪研究の第一人者である水木しげること水木サンが、異界の世界へと誘うエッセイ漫画です。故郷・境港を起点に、日本の古代史や神話を辿る旅を描いており、目玉の親父、さらには古代霊と共に、時空を超えた神秘の旅を展開しています。本記事では、『異界探訪記』の魅力を詳しくご紹介します。
作品紹介
あらすじ
水木サンが生まれ育った境港を起点に水木サンのご先祖サマのルーツを辿る旅が描かれています。その旅の途中で水木サンは異界へと飛ばされ、目玉の親父や古代霊とともに戦国時代や古代出雲を探訪する。
おもな登場人物
水木サン
旅の中心人物で、作者本人。
目玉の親父
水木サンの異界探訪の案内役。
古代霊
水木サンの夢枕に立つ古代出雲の青年霊。他作品でも登場する。
京極夏彦
水木サンの弟子。神出鬼没で水木サンの旅に同行する。
特別編集顧問
季刊誌『怪』の特別編集顧問。丸眼鏡に顎鬚がトレードマークの中年男性。
こんな人におすすめ
- 水木しげるのルーツに興味がある人:水木サン、武良家のご先祖サマのことを知りたい人。
- 晩年の水木しげるが知りたい人:晩年の水木サンが人生を総括する様子が垣間見られます。彼の晩年の視点やメッセージを感じたい方にぴったりの内容です。
- 京極夏彦のファンの人:京極夏彦が水木サンと旅を共にするユニークな役割で登場。水木サンがどう彼を描くのか気になる人はぜひ(ただ、お歳もお歳だったのでスタッフの手がだいぶ入っているとは思いますが)
著者について
水木しげるは、『ゲゲゲの鬼太郎』など妖怪をテーマにした作品で広く知られる漫画家です。彼の創作は、出身地である境港の文化と神話、そして彼の戦争体験が大きく影響しています。
掲載誌について
本書は『怪』(現『怪と幽』)に掲載されていました。『怪』は、妖怪や怪異に特化した季刊誌で、KADOKAWAが発行しています。
水木しげる、京極夏彦、荒俣宏といった妖怪研究の第一人者たちが、怪奇な世界を読み解く内容で構成されており、妖怪好きに愛され続けている専門誌です。
作品解説
南方編 ― 水木サンと戦争の記憶
ジャパンは天国か、地獄か
2009年に発表された「南方編」は、戦争体験が色濃く反映された章です。戦時中、ニューギニアでマラリアにかかり死線を彷徨った水木サンが、臨死体験をするというエピソードが描かれています。そして、水木サンは人生を振り返る姿が描かれています。
死んだ戦友たちはどうなったのか
また夢の中で戦時中のニューギニアを訪れる様子が描かれています。彼が穏やかな風景を見つめ、遠い昔に亡くなった戦友たちを思い出すコマがあり、水木サンの戦争への想いが見られます。
最後の別れと特別編集顧問の手紙
最後のページには、特別編集顧問の郡司悟が水木サンに宛てたメッセージが綴られています。本書の初出は2008~2012年であり、水木サンは2015年に永眠。本書は彼の没後の2016年に刊行されました。
隠岐と武良家のルーツ探訪
現地の祭りや風習に興味を持ちながら、武良家のルーツをたどる水木サンの姿に、自然と旅心が掻き立てられました。たとえば、冒頭に出てくる「武良祭(隠岐武良祭風流)」などは、隠岐の観光サイトでも紹介されています。読むうちに、自分も行ってみたい気分になりました。少しマニアックな旅が好きな方には、ぜひ一度手に取ってほしい作品です。
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ちょこちょこ出てくる京極夏彦の存在感が強く、色々気になってしまいました。彼のファンの人はぜひ!