楳図かずおのドタバタギャグ漫画『アゲイン』は、1971年から1972年に『週刊少年サンデー』で連載されました。この物語は、65歳の老人・沢田元太郎が家族から疎まれる中、「若返りの薬」を飲んで再び青春時代を生きようとする姿を描いた、笑いあり、風刺ありの作品です。彼が薬で高校生に戻り、昭和のレトロな時代背景の中で巻き起こす騒動は、時代を超えて読者の心に響きます。本記事では、元太郎のエネルギッシュな行動や登場人物、さらに作品の社会的な意味合いなどを徹底解説します。ぜひ『アゲイン』の世界に足を踏み入れてみませんか?
作品紹介
あらすじ
主人公の沢田元太郎は、65歳の元大工。退職後は隠居生活を送っているものの、家族からは邪魔者扱いされ、日々の生活に孤独と不満が募っています。ある日、偶然にも町の薬剤師が「若返りの薬=アゲイン」を完成させ、それを飲んだ元太郎は一夜にして15歳の少年に若返ります。若返った元太郎は、抑え込んでいたエネルギーを爆発させ、かつての大工魂を発揮しながら周囲を巻き込んだ大騒動を繰り広げていきます。
おもな登場人物
沢田元太郎
本作の主人公。65歳の元大工。家族から疎まれ、肩身の狭い日々を送っています。若返りの薬を飲んだ後は、抑えていた感情を解放し、大胆な行動を次々に起こす暴れん坊に変貌。
沢田まこと
元太郎の孫で、若返った元太郎の良き相棒。
こんな人におすすめ
- 楳図かずおの漫画を読みたい人:恐怖漫画が苦手でも、楳図かずお作品を楽しんでみたい人におすすめです。本作は、ギャグですので怖くありません!
- 『まことちゃん』のファン:同じく楳図かずおの代表作である『まことちゃん』を好きな人は、『アゲイン』でその原型が楽しめます。
著者について
楳図かずおは、1936年和歌山県で生まれました。18歳で「森の兄妹」にてプロデビューを果たし、1960年代には「ねこ目の少女」などで恐怖漫画家として名を馳せました。1975年には『漂流教室』で小学館漫画賞を受賞。その後も、代表作『まことちゃん』や『おろち』などで次々とヒットを生み出し、多彩な作品を手がけてきました。2024年10月28日逝去。
作品解説
アゲイン!もう一度
タイトルになっている「アゲイン(again)」は、「再び」「もう一度」という意味を持つ英語です。タイトルが示す通り、65歳の主人公・元太郎が若返って再び青春を生きようとする物語。彼が手にした「もう一度」というチャンスは、単なる若返りではなく、失われた夢や青春への渇望の象徴でもあります。
元太郎の暴走する姿には、彼が家族や社会に対して溜め込んだ不満と、もう一度人生を取り戻したいという強い思いが見え隠れします。
若い世代への怒りの爆発
元太郎の怒りは、老人代表の怒り?
元太郎の若返りは、高齢者の「社会からの疎外感」や「家族からの疎ましさ」に対する反抗を象徴しています。彼の行動は、若い世代に対する怒りと同時に、現代社会でも共通するテーマとして描かれています。
彼の怒りには共感か?それとも老害か?
元太郎の行動は時に爽快ですが、今の時代では問題視(ハラスメント)される部分もあります。特に、現代の価値観では「老害」と捉えられかねない行動もあり、読者によって共感を得たり、違和感を覚えたりすることでしょう。
しかし、そうした価値観の違いが逆にこの作品の魅力を引き立てています。
『まことちゃん』と『アゲイン』
楳図かずおの代表作『まことちゃん』は、今作『アゲイン』のスピンオフとして生まれました。『アゲイン』は『まことちゃん』の原型であり、同様にお下品でギャグ満載ですが、昭和の社会風刺がより強調されています。
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若返った元太郎の破天荒な行動に、笑いと共に時代の価値観を感じることができます。時にはお下品すぎると感じるかもしれませんが、それもまた本作の醍醐味。現代の価値観と照らし合わせながら楽しんでみてはいかがでしょうか?