三宅乱丈による『pet』は、記憶を操る能力を持つ人々を描いたSF作品であり、その物語は能力バトルにとどまらず、登場人物の心理描写を深く掘り下げています。作品の中で描かれるのは、能力を使うことで生じる悲劇的な状況や、記憶操作を通じて人々の心がどれほど変化していくのかというテーマです。本記事では『pet』のあらすじや登場人物、そしてその深層に迫る作品解説を行い、なぜこの作品が魅力的なのかを解説します。
作品紹介
あらすじ
物語の中心人物は、人の記憶を操る特殊能力「イメージ」を持つヒロキ、司、悟の3人。彼らは中国マフィア「会社」に属し、その能力を犯罪に利用されている。「会社」は彼らを「ペット」と呼び、人間の心を操作する道具として扱っていた。「イメージ」によって記憶を捏造する際に失敗すると、相手の精神は潰れてしまい廃人状態に陥ってしまう。
おもな登場人物
ヒロキ
司に能力を分けてもらったことで「イメージ」を持つ能力者となります。司に対して非常に深い感情を抱いており、彼と一緒にいたいという強い気持ちが彼の行動の原動力です。その純粋さと司との絆が、物語の中で大きな意味を持つことになります。
司
策士で、野心家。しかし、司の内心は非常に複雑で、強い愛憎の感情を抱えています。彼の心の動きは作中で徐々に崩壊し、彼自身の破滅へと繋がっていきます。12~15話での司の崩壊の描写は、非常に圧倒的であり、圧巻。
こんな人におすすめ
- 複雑な人間関係描写の多い作品が好きな人:『pet』では登場人物たちの心の動きが非常に重要なテーマであり、深い心理描写が描かれています。
- ややこしい設定のSF作品が好きな人:能力者たちの関係性やその能力が引き起こす事件を描いたSF作品であり、ジャンルとしても非常に魅力的です。
- BL漫画じゃないけどBLみたいな漫画を探している人:『pet』はBLではありませんが、そう見えなくもない描写が多いです。
著者について
三宅乱丈は、1966年4月24日北海道生まれの日本の漫画家です。1998年に『ヘビースモーカーの息子』でデビューし、代表作に『ぶっせん』『pet』『イムリ』などがあります。特に『pet』は記憶を操る能力をテーマにした作品として高く評価されています。
作品解説
人の心の奥底にある「記憶」の描写
記憶を操る「イメージ」という能力は、人間の心に深く関わるテーマとして扱われています。登場人物たちが抱えるトラウマや過去の記憶がどれほど彼らの生き方に影響を与えているのかが描かれており、また美しい(楽しい)記憶も描かれています。そして、そんな記憶を改変するのが「ペット」の能力です。
精神的依存と愛
登場人物たちの精神的な依存と繋がりが非常に重要な要素です。特にヒロキと司の関係は、単なる愛情表現ではなく、互いに依存し合い、支え合っているような深い絆で結ばれています。この作品は、記憶操作によって生じる不安定な心の中で、人と人がどのように繋がっていくのかを描いています。
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